2024年に社会福祉士の国家試験受ける予定なんだけど、今年の合格率が今までよりも高くて驚きました。今後いったいどうなっちゃうの?
今回の社会福祉士や精神保健福祉士は過去にないほどの合格率で驚きましたよね。今後も合格率は高くなっていくものと思われます。
社会福祉士と精神保健福祉士は福祉の道を志している・就いている方なら、一度は聞いたことがある国家資格でしょう。
2023年2月に実施された試験では、社会福祉士が合格率44.2%、精神保健福祉士が71.1%と過去にないほどの合格率となりました。
これから合格を目指されている方にとっては朗報と言えるかもしれませんが、一方でこの傾向が今後も続くか不安に思われているかもしれません。
そこで、直近の2023年試験で社会福祉士試験に合格した筆者(エドガワ)自ら、今後の傾向をデータを基に現状と今後の展望を予想していきます。
ぜひ最後までご覧ください!
この記事を見れば知ることができること
- 社会福祉士・精神保健福祉士試験の現状
- 社会福祉士・精神保健福祉士試験の今後の展望
- 国家試験に向けての勉強指針
それでは一つずつ見ていきましょう。
目次
2023年社会福祉士・精神保健福祉士試験の状況

それでは、今後の展望をお伝えする前に、まずは社会福祉士・精神保健福祉士国家試験の現状を分析していきます。
合格率が上昇
2023年における社会福祉士・精神保健福祉士国家試験は冒頭にお伝えしたように、それぞれ44%、71%と過去最高を記録しました。
例年、社会福祉士は合格率30%前後、精神保健福祉士は60%強となっており、多少の上振れ下振れはあれど、1割も合格率が上下するようなことは近年起こりませんでした。
ではなぜこのような事態が起きてしまったのでしょうか?
きっかけは2022年に行われた第34回社会福祉士国家試験にさかのぼります。この年の試験は難易度こそ例年並みかやや易化したものの、肝心の合格点が150点中105点と大きく上昇しました。
社会福祉士は試験要綱に総得点の6割を合格基準とすると銘打っているにもかかわらず、基準よりも合格点を1割上振れさせたことに対し、各所からクレームが殺到しました。
一部では合格率を3割前後で抑えるために無理やり合格点を引き上げたのではないか?と推察されています。引き揚げ方があからさまなので、ぶっちゃけ私自身も同様の考えを持っています 笑
これを受け、令和4年1月17日開催の「社会福祉士国家試験の在り方に関する検討会」において、以下のような方針が打ち出されました。
精神保健福祉士や他の医療系国家試験と同水準となると、少なくとも6割から7割程度の合格率が想定されます。今回は提言後初の試験ということで、ひとまず40%台に推移したといったところでしょう。
応用問題は少なかった
次の社会福祉士・精神保健福祉士の状況としては、応用問題が少ない傾向が挙げられます。難問・奇問と呼ばれる類の問題が2023年試験ではほとんど見られませんでした。
私自身も社会福祉士専門科目のみの受験でしたが、正答率88%を叩き出すことができました。市販の問題集で十二分すぎるほどに対応ができました。
特にこれは肌感覚というだけでなく、国の検討会でも同様の指針が示されています。
一言で言えば、狭く深くよりも、広く浅くの勉強方法が求められているように感じました。社会福祉士は専門職である一方でゼネラリストある側面が求められているため、指針としては理にかなっていると言えます。
もちろん用語を丸暗記するのではなく、それがどういったことかを説明できなければ点数は取れません。基礎=楽というわけではないので、その点は注意が必要です。
タクソノミーⅢ型問題が増えた
次の社会福祉士・精神保健福祉士国家試験の状況としては、タクソノミーⅢ型の問題が増えた点が挙げられます。
タクソノミー?Ⅲ型?聞いたことないんだけれど…
タクソノミーという言葉自体は覚える必要ありませんが、要は問題の形式分類のことです。
タクソノミーはⅠ型からⅢ型まであり、Ⅰ型は単純な知識で解ける問題、Ⅱ型は状況を理解して回答する問題(従来の事例問題)、そしてⅢ型は状況に応じた知識を用いて回答を絞り込んでいくタイプの設問です。
要するに事例問題に対して知識+状況分析どちらも用いて解く問題です。
百聞は一見に如かずということで、今年出題された問題を見てみましょう。
上の画像は今年実際に出題された問題です。
事例の問題は架空の支援記録に対し、どの記録形式が適切なものかを答えさせる問題です。
ここでミソなのは、それぞれの記録形式について適切に理解できているだけでも、文章を正確に読み取れるだけでも正解に至ることはできない点です。
事例問題そのものへの慣れと基礎知識の正確な理解の両方が求められます。これだけ聞くと難しいように感じられるかもしれませんが、複雑な知識を問われているわけではありません。
どれだけ同様の問題演習を積み重ねられるかで正答率が変わってくるものと思います。
今後の社会福祉士・精神保健福祉士試験を予想

それでは、社会福祉士・精神保健福祉士の国家試験の今後を予想していきます。
さらに合格率上昇!いずれは60~70%台も?
先ほども述べた通り、国の方向性として、社会福祉士の合格率をさらに向上させる提言がなされています。
社会福祉士合格率だけでいえば、精神保健福祉士(合格率60%以上)と同等程度を目指しており、さらには他の医療系資格と同水準にすべきとまで言及しています。
正直、合格者の立場としては、いたずらに合格率上げると質が落ちるのではないかという微妙な気分ですが、人材輩出の面などから色々と勘案された結果かと思います。
良し悪しはおいといて、社会福祉士を目指される方にとっては今後も追い風は続いていくでしょう。
とにかく基礎問題を重視!
次の社会福祉士・精神保健福祉士の今後としては、とにかく基礎問題が重視されるであろうということです。
社会福祉士・精神保健福祉士の合格率を上昇させていくということは、イコール難問・奇問の類が減少していくことにつながります。
基礎問題ばっかりということは、あんまり対策しなくても合格できるってことかな?
いやいやそういうわけではありません。基礎問題は頻出の知識を問われるというだけなので、勉強はどのみち必要です。
国家試験…というより受験ごとにおける基礎知識というのは、一言で言えば、何回も出題されている頻出知識を指します。
根拠として、検討会でもすでにしっかり明言されています。
プール制(あらかじめストックしておいた問題を、そのまま、あるいはアレンジして繰り返し出題する方法)を導入すると言っている以上、今後、頻出問題を繰り返して完璧に回答できる重要性が高まることが推察されます。
決して対策しなくても解ける問題を増やすと言っているわけじゃないので、お間違えの無いように!
とにかく、これまで以上に過去問演習や一問一答の重要性が高まることが予想されます。
過去問演習を重要視してエドガワも約9割の得点率を実現しています。勉強方法を知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
→【2023年版】精神保健福祉士の勉強法解説!最短3か月で誰でも働きながら合格可能!
社会福祉士・精神保健福祉士対策のスクールが減少する?
最後の社会福祉士・精神保健福祉士試験の今後としては、社会福祉士・精神保健福祉士試験対策のスクールが減少することが考えられます。
「え?」っと思われる方こそ、よく考えてみてほしいんです。
もし市販の過去問・参考書などで今までよりも高得点を実現しやすくなり、実際に合格率が7割、いやそれ以上に高くなる世界がおとずれたらどうなるでしょうか?
受験資格を得るために必要な専門学校を除き、試験対策のみを専門とするスクールの存在価値は今までよりも希薄化していくことは免れません。料金も安くはないですしね。
一方で、言い方は悪いですが、誰かに管理してもらわないと勉強ができない人も一定数もいると思います。そういった管理型のスクールには一定の需要は残るかと思います。
決してそういったスクールが嫌いというわけではありませんが、独学者が報われやすいような試験になっていくことを考えると、私自身はネガティブな傾向とは思っていません。
まとめ
- 社会福祉士・精神保健福祉士試験は合格率が高くなっており、今後も上昇は続いていく
- 難問・奇問の類は減り、より基礎と状況分析能力を求める問題が増えていく
- 社会福祉士・精神保健福祉士の試験攻略をうたったスクールが減少していくことが予想される
いかがでしたでしょうか?
実は数十年にわたり行われている社会福祉士・精神保健福祉士国家試験は、ちょうど今が最大の過渡期にあることがわかるかと思います。
2025年試験からは新カリキュラムも導入されるため、来年試験の方はぜひ合格をつかみとってもらいたいです。
検討をお祈りしています!
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