障害者雇用を知る

障害者雇用で合理的配慮を得る方法教えます【知らないと危ないです】

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障害者雇用の合理的配慮ってよく聞くけど、どうやれば配慮をもらえるの?
自分に合った環境で働きたいんだけど。

合理的配慮を得る方法はぜひ知っておきたいところですね。うまく伝えられないと、障害者雇用で働く意味が半減しちゃいますよ!

障害者雇用で働く上で、どのように合理的配慮を得るかは必ず知っておきたいポイントです。

ポイントを知っているかどうかで、長く働ける可能性が大きく上下します。

この記事は以下の人におすすめ

  • 障害者雇用で配慮を得たいけれど、どのように配慮事項を整理すればいいかわからない
  • 合理的配慮ってそもそもどこまでを指すのかを知りたい
  • 会社に合理的配慮をどう申し出ればいいかわからない

今回の記事を見ればそれらの疑問を解決できます。

この記事を見れば知ることができること

  • 合理的配慮の法的根拠と正しい意味合い
  • 合理的配慮の整理方法
  • 合理的配慮の効果的な伝え方

それでは、解説していきます。

合理的配慮とは

「そもそも合理的配慮ってなに」という方も多いと思います。

まずは意味合いをしっかりと理解していきましょう。

合理的配慮は障害者の能力を発揮するための配慮

一言でいえば、合理的配慮は障害の有無にかかわらず機会均等の場を提供、調整を与えることをさします。

言い換えれば、健常者と障害者の差を無くす(=平等にする)配慮ということです。

「合理的配慮」という言葉だけが独り歩きしていて、人によって解釈が異なりやすいですが、「障害者を優遇する」ことではありませんので、注意しておきましょう。

たとえば、身体的・精神的ギャップがある分、健常者よりも給与を上げてほしいというのは平等以上のものを求めていると思われ、要求が通らない可能性が高いです。

合理的配慮は法的義務がある

障害者雇用においての合理的配慮は、障害者雇用促進法に規定されています。

企業は障害者に対して、合理的配慮の提供義務があるとされています。とはいえ、「過重な負担」にあたる場合はその限りではありません。

身体障害で車いすでないと動けないとはいえ、高層階にある社屋を1Fまで動かしてほしいという方がいるとします。企業が費用的側面から過重な負担と判断したら、合理的配慮を飛び越えてしまうことになります。

しかし、スロープの設置など、企業がコストの面から配慮しうるレベルであれば対応してもらえる可能性があります。このように合理的配慮はケースバイケースの側面が強いです。

合理的配慮は魔法の言葉ではなく、お互いの歩み寄り

合理的配慮は、優遇を引っ張り出す魔法の言葉ではないことがわかったかと思います。むしろ地道な配慮事項の整理と会社側との交渉の積み重ねで成立していくものとなります。

一方的な申し出ではなく「お互いの歩み寄り」という姿勢がとにかく大事!

何でもありではないという認識を持ったうえで、配慮事項を整理していくことが、まず第一歩になります。

合理的配慮の整理

それでは、次にどのように合理的配慮を求めていけば良いかを整理していきましょう!

オーソドックスな配慮事項を知っておく

整理すると言っても、何もとっかかりが無い状態で合理的配慮を考えるのは難しいと思います。障害者雇用に初めてチャレンジする人にとっては特にそうでしょう。

代表的な配慮事項をまとめておきますので、参考にしてみてください。

  • 時短勤務→体力的に無理のない範囲で就業時間を短縮してもらう
  • 休憩時間の調整→通常の休憩時間とは別に、集中力維持のための小休憩をもらう
  • 業務内容調整→障害特性上、苦手な分野の仕事は避けてもらう(例:電話応対など)
  • 定期的なフィードバック面談→業務内容や人間関係の整理のための面談をもうけてもらう

さらに詳細について知りたいという方は、以下の記事もぜひチェックしてみてください。

精神障害者の就職攻略法紹介!就職前後で失敗しない3つのポイント教えます

合理的配慮をイメージした際に、自分の能力や体調面での配慮を思い浮かべる人は多いと思います。もちろんそれは重要ですが、職場上のキーパーソンを擁立してもらったり、支援機関を活用するなどの、外部環境の配慮も知っておきたいポイントです。

支援機関について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。

就労移行支援事業所とは何か?必要でないと感じるあなたほど必要なサービスです。

障害者就業・生活支援センターとは障害者雇用の何でも屋!働くを楽にするためのサービス内容を総まとめ!

過去を振り返りつまずいたポイントを整理する

基礎的な配慮事項について知った後は、自分の配慮事項を整理していきましょう。

いきなり「こんな配慮があれば仕事ができる!」と思いつく人はともかく、ほとんどの人にとっては悩ましいところだと思います。

ずばり、オススメの整理方法は、仕事でうまくいかなかった点から逆算して考えることです。

<過去の失敗経験>

一度指摘されたミスをまた繰り返してしまい、上司に怒られたことがきっかけで落ち込みがちになった。

<どうしたら失敗を防げたか>

仕事の工程が視覚的にわかる書類などがあれば、自分で抜け落ちが無いかを確かめられた。

<配慮事項>

仕事の工程を記したチェックリストを用意してもらう。もしくは、担当者にダブルチェックをしてもらう。

このように、失敗経験→失敗への対処法→配慮事項の順で組み立てていけば、自分なりの合理的配慮が見つけやすいでしょう。

配慮事項を文章化する

独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構

配慮事項をまとめたら、ぜひそれを文章化してみましょう。

文章化するフォーマットは何でもよいですが、ここでは独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構のナビゲーションブックのリンク(上記画像参照)を貼っておきます。発達障害者向けですが、ナビゲーションブックの優れているところは自分で対処している点も書く必要があることです。

自分で対応する点(努力する点)と配慮点を分けて書くことで、一方的なお願いになりづらい効果があります。その結果、就活時に合理的配慮として提案しやすい内容に近づけることができます。

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合理的配慮の伝え方

配慮事項をまとめたら、実際の就活時にどのように伝えていくかを考えていきましょう。

「してほしい」ではなく「〇〇すればできる」に置き換える

効果的な伝え方としては、「●●を配慮してほしい」という言い方を連ねるのではなく、「●●してもらえれば業務ができる」という言い方に置き換えることをオススメします。

え?いちいちそんなことに気を遣わないといけないの…?

おっしゃるとおり、わずらわしさを感じる人も多いと思います。

しかし、「してほしい」という言い方をしていると、障害上配慮が必要なこととは言え、聞く相手側には不安感を与えることになります。「うちの会社で対応できるかな…」と思われてしまうと、選考上で不利にはたらきかねません。

同じ配慮事項とはいえ、「●●すればできる」という言い方にした方が、主体性を相手にアピールできるため、選考上においても話の運び方がスムーズになりやすいです。

書類選考と面接選考の際に伝える内容を分ける

障害者雇用で就活する場合は、履歴書や職歴書に「障害上の配慮点」として、合理的配慮の内容を記載することができます。もし配慮内容が通院・服薬配慮程度であれば、応募書類に書いて、面接の時に再確認する程度で十分でしょう。

しかし、合理的配慮事項がいくつもある方の場合、こういった相談を受けることが多いです。

配慮事項がいくつもあるから、すべて書こうとすると、対応が大変な人に見られそうです…

そういった場合は、優先して伝えておきたい配慮事項を2,3個ほどピックアップして応募書類に記載をします。

残りの配慮事項に関しては、面接時に補足の配慮事項としてお伝えするという手法を取っています。面接にたどりついても結果的に落ちることもありますが、ごり押しして内定した後に早期退職するよりはマシだと思って切り替えることも大事です。少なくとも面接慣れできるというメリットがありますしね。

就業後も配慮事項を確認しよう

内定した後は気持ちがハイになっており、忘れがちですが、内定後・入社直後に配慮点を職場の担当者と確認し合っておくことも大事です。業務がいったん始まってしまうと、お互いに本来配慮してもらう内容・すべき内容を確認しないまま、時が過ぎてしまうことがあります。

そうなると、業務上のミス・トラブルのリスクヘッジ機能が失われ、障害者雇用の意味合いが半減してしまいます。トラブルの事後対応は事態を長期化させることにつながり、障害によっては体調悪化の要因となるので注意が必要です。

障害者雇用においては、「何事もはじめが肝心」と捉えておきましょう!

合理的配慮の実例

最後に、合理的配慮の実例を紹介します。

<障害内容>

Aさん(発達障害・20代男性)

<企業概要/業務内容>

都内IT企業/事務補助

<事例内容>

AさんはIT企業に事務補助として入社。数年ぶりの就職で体力面の不安があったため、時短勤務でスタート。入社当初はメール転送業務に従事していた。入社から3か月経過後、自信をつけてきたため、フルタイム勤務を希望した。

勤務態度もまじめなため、企業側もフルタイムには前向きだったが、時間分の業務をねん出することができずにいた。支援機関が介入し、Aさん、企業担当者とも相談し、面談室の清掃、会議の際の席セッティングを新たに増やしてもらうことになった。

フルタイムに移行後、Aさんから職場の同部署の部長が挨拶を返してくれないことが多く、ストレスになっていると相談を受ける。再度職場訪問を行い、企業担当者も同席で面談を行う。部長はせっぱつまっている時は誰にでも挨拶を返さないときがあることがわかった。Aさんが不安を抱えていることを担当者づてで伝えてもらうことになった。それ以降、挨拶を交わすようになり、Aさんの不安も緩和された。

あくまで一例ですが、入社前だけでなく、入社後にも配慮事項を調整していったケースである。入社前に合理的配慮を伝えさえすればうまくいくというケースもあるのが事実です。入社後にも都度の相談に乗ってもらうためにも、企業でのキーパーソンを定めておくことが重要です。

すべて一人で調整するのは不安な方も多いと思います。そんな方はぜひ支援機関を活用してみましょう。

まとめ

  • 合理的配慮はお互いの歩み寄りが大事
  • 合理的配慮は過去の失敗経験から逆算して整理・文章化しよう
  • 「●●すればできる」と言い換えて配慮事項を伝えよう
  • 就業前だけでなく、就業後にも配慮事項を確認しておこう

いかがでしたでしょうか?

合理的配慮は段階を追って考えていけば、しっかり整理することができます。適切に伝えられると長く働ける可能性を上げられます。

ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。

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