障害者雇用で働いている友達が、職場実習を通して採用されたって言ってたんだ。職場実習って採用に有利になるの?やっといた方がいいのかな?
障害者雇用において、職場実習を通した採用形態は王道と言ってもよいくらい、多種多様な企業で行われています。職場実習に興味があれば、趣旨やメリット・デメリットを理解しておきましょう♪
障害者雇用において、職場実習による選考は互いのミスマッチングを防ぐために積極的に活用されています。しかし、一見メリットだらけに見える職場実習でも人によっては恩恵を受けられない場合もあります。
今回の記事では、現役の就労支援員の筆者が、忖度抜きで職場実習のメリット・デメリットを解説していきます。ぜひ最後までご覧ください!
この記事を見れば知ることができること
- 障害者雇用における職場実習の概要
- 職場実習をするための方法
- 職場実習のメリット・デメリット
それでは一つずつ見ていきましょう。
目次
障害者雇用における職場実習とは

まずは障害者雇用における職場実習の概要から解説していきます。
一言でいえば、職場実習は障害者と企業のお見合いの場です。面接だけでは判断しきれない要素を実際の業務を通じて、共通理解を図っていきます。
実際に働いてみることで、お互いの雰囲気を知り、長く働けるか(働いてもらえそうか)を吟味することを目的として実施されます。
各自治体でも、職場実習を行った企業には奨励金を給付するなど、行政側でも職場実習の奨励がされています。今後、ますます一般的になっていくものと思われます。
実習の種類
障害者雇用での職場実習は、業務体験のみで終わる体験実習と、採用選考として行われる雇用前実習の二つがあります。
体験実習でも、企業側の評価が高く、人手が足りていないようであれば、採用オファーがかかる場合もあります。
また、雇用前実習では、はじめから選考ルートに組み込まれているパターンのほかに、支援機関が独自に依頼をかけて実習を面接前に組み込んでもらうパターンもあります。
今回は雇用前実習を中心に取り上げていきます。
実習内容
障害者雇用での職場実習で行う業務内容は、採用後に行うであろう業務が中心となります。
実際の職務と実習内容が乖離していると、実習の意味がありませんからね笑
ただ、個人情報が多分に含まれている業務などについては、実習では取り除かれる場合があります。また、規則上、業務のほとんどが社員でしか扱えない場合は実習自体の実施ができないこともあります。
期間
障害者雇用での職場実習の期間は通常3日~5日程度で行われる場合がほとんどです。
数週間など、長期間に及ぶ実習は労働力の搾取と捉えられかねませんし、企業側にとっても受け入れ負担があります。そのため、一週間程度で実習を行い、最終日に実習のフィードバックが行われるのが一般的です。
費用
障害者雇用での職場実習の費用はかかりません。ただし、交通費や昼食代は自己負担となるパターンがほとんどです。
雇用契約を結んでいるわけではないため、給与が発生しない点にも注意が必要です。
職場実習をするには支援機関を活用しよう!

次に、職場実習をするための方法を解説していきます。
ズバリ、職場実習をするには支援機関を活用しましょう。
支援機関って言ってもたくさんあるでしょ?
大きく分けてハローワークかそれ以外で考えればOKです。
職場実習はすでに存在している求人、もしくは支援機関が独自でパイプのある会社から職場実習の依頼をかける必要があります。
ハローワークの専門援助部門では、求人に職場実習が選考ルートに入っていなくても、職員を通して、職場実習を行わせてもらうことはできるか確認を取ってもらうことができます。
もちろん断られてしまうこともありますが、聞くのはタダですし、選考に不利になることもありません。興味がある方は積極的に相談してみましょう。ハローワークについては、以下の記事を参照してみてください。
→【2021年版】障害者雇用求人を探すならハローワークへ必ず登録しよう!誰も言わないメリット教えます
すでに障害者就業・生活支援センターや就労移行支援事業所などの就労支援機関を利用されている方は、担当支援員に職場実習の希望を伝えてみましょう。支援機関がつながっている企業で実習をさせてもらえる可能性があります。
各支援機関について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
→障害者就業・生活支援センターとは障害者雇用の何でも屋!働くを楽にするためのサービス内容を総まとめ!
→就労移行支援事業所とは何か?必要でないと感じるあなたほど必要なサービスです。
通所状況によっては、まだ実習の段階ではないと言われることも考えられます。就職までの段取りは担当支援員と日ごろからすり合わせておきましょう。
また、最近では、障害者雇用専門の転職エージェントにて、求人検索から見学・実習の打診までワンセットで行ってもらう方も増えています。
興味のある方はバナーを貼っておきますので、見てみてください。

職場実習のメリット

さて、概要の後は、障害者雇用での職場実習におけるメリットを整理しておきましょう。
メリット① 採用後のミスマッチングを防げる
一つ目の職場実習のメリットは、採用後のミスマッチングを防げることです。
何と言っても、職場実習の良い点は、見学だけでは把握しきれない業務の体験や、一緒に働くであろう社員との交流を行えることです。
どんなに魅力的に感じる業務であっても、実際に行ってみると肌に合わないと感じることもあるかもしれません。実習であれば、働いてからのギャップを最小限に抑えられる点で非常にメリットがあります。
メリット② 精神的に楽に仕事をスタートできる
次の職場実習のメリットは、精神的に楽に仕事をスタートできる点です。
先ほど述べた通り、職場実習では採用された後に行う業務を体験していきます。そのため、職場実習が事実上の入社後研修としてはたらき、本採用になった後も、スムーズに業務に移行することができます。
障害者側、企業側双方にメリットがある点がポイントとなります。
メリット③ 実習評価がよければ採用にかなり有利
次の職場実習のメリットは、実習評価がよければ採用にかなり有利にはたらくということです。
やっぱり応募者側にとっては、職場実習が採用にどう働くかは気になるところです。
率直に言えば、実習評価は採用結果に直結します。数十分の面接と複数日に及ぶ実習では、どちらに重きを置くかは明らかです。
建前上、選考に関係ないと言っていたとしても、現場からの評価を無視はできません。面接が苦手でも、実直に仕事をこなす能力さえあれば、職場実習は有利に活用できるでしょう。
職場実習のデメリット

次に障害者雇用における職場実習のデメリットを紹介していきます。
メリットばかり語られる職場実習ですが、実はデメリットも存在します。しっかりデメリットを把握することで、後悔なく実習を活用できます。
デメリット① 良くも悪くも実習中の様子で判断される
一つ目の職場実習のデメリットは、良くも悪くも実習中の様子が先行の判断材料にされることです。
メリットと隣り合わせのデメリットと言えます。実習でうまくパフォーマンスを発揮できれば良いですが、実習期間中で能力を発揮しきれない場合は、その時点での結果で判断がなされます。
企業によっては、その後の伸びしろも考慮に入れてくれます。しかし、応募者が多数の場合は、うまくく仕事がこなせないと、他者よりも不利になると言わざるを得ません。
デメリット② 実習中は給与が出ない
次の職場実習のデメリットは、実習中は給与が出ないということです。
当たり前と言えば当たり前なのですが、求職中の身としては収入を得られないのは、苦しいところです。実習中は交通費なども自己負担のため、お金に余裕がない方にとってはデメリットとなります。
求職中は失業給付をもらうなど、生活費をしっかり担保しておくようにしましょう。
→障害者が失業給付をもらうための流れを徹底解説!【自己都合退職でも最高360日受給可能】
デメリット③ 実習中は他社の選考を受けられない
次の職場実習のデメリットは、実習中に他社の選考を受けられないことです。
厳密にいえば、実習期間だからと言って、他社の選考を受けられないルールがあるわけではありません。しかし、実習は連日、日中に行われることが一般的です。
そのため、その間に他社の面接の予定が入っても断らざるを得ないorリスケの必要が生じてしまいます。こうした時間的拘束は実習におけるデメリットとなります。
まとめ
- 障害者雇用における職場実習は、障害者と企業のお見合いの場
- 職場実習をしたい場合は、ハローワークや就労支援機関を活用する
- 職場実習のメリットには、採用上の有利やミスマッチングを防げる点がある
- 職場実習のデメリットには、時間的拘束、無給などがある
障害者雇用における職場実習は、一般的なインターンと異なり、様々なメリット・デメリットがあります。
誰かに勧められるままに…ではなく、自分でどういった点にメリットを感じて取り組もうと目標建てをすることが何より重要です。
ぜひ今回の記事を参考にしてみてください!