障害者雇用を知る

発達障害の人が取るべき仕事の工夫とは?キーワードは「具体化」「休憩」「整理整頓」

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発達障害を持っていて仕事でミスばかり続いちゃう…何かしないといけないのはわかるけど、どうすればいいのかな?

発達障害当事者で仕事のミスが続くという相談はものすごく多いです。根性論ではなく、対応策を明確化していくことが重要です。

発達障害者が仕事のミスをなくしていくには、明確な工夫が必要になります。

近年、発達障害が一般的なワードになっているものの、いまだに理解は不十分と言えます。障害者雇用にもかかわらず、本人の意識の問題と一蹴してしまう企業も存在しています。

ケアレスミスなどの障害特性による失敗を、「怠惰」「自己管理不足」と勘違いされてしまうケースは非常に多いです。

そこで、今回は障害者雇用であるないを問わず、個人でもできる工夫をキーワード別に解説してみました。

ぜひ最後までご覧ください!

この記事を見れば知ることができること

  • 発達障害者がミスを分析する際のコツ
  • 発達障害者が仕事でミスを防ぐ工夫点
  • 障害者雇用における支援機関の活用メリット

それでは一つずつ見ていきましょう。

まずは自分のミスを分析してみよう

発達障害者が仕事の工夫点を考える際は、まず自分自身の仕事のミスを分析することが重要です。

発達障害者といってもミスの種類は十人十色です。

というのも、発達障害はADHD、ASD、LDと、障害種別が細分化されており、「発達障害」という言葉では一括りにできないからです。

さらに言えば、ADHDでありながらASDなどの傾向も併せ持つ方もいれば、診断名とは別の特性が強い方もいます。二次障害として、精神障害などを発症している方の場合、疾患からミスを誘発してしまう方もいるでしょう。

つまり、診断名だけでは個人のミスの傾向を断定するのは不可能であるということです。

診断名ありきではなく、普段の仕事の状況を振り返り、自分にはどういったミスの傾向があるかを考えた方が特性に合った工夫点が見つかりやすいでしょう。

この後のセクションでは「ASDの人に多い傾向です」など記載をしている箇所がありますが、あくまで理解の足掛かりとして書いているに過ぎません。

工夫点を考える前に、仕事のミスの傾向をまとめておくのが大事ってことだね。

そういうことです!できれば文書にまとめておいて、そのミスに対して、どんな工夫が効果的か考えてみると尚良いでしょう!

発達障害の特性理解には、以下の記事が参考になるかと思います。

発達障害の人が仕事探しをする時のポイントを教えます【診断名より特性理解が大事】

発達障害者の仕事の工夫① 「具体化」

1つ目の発達障害者の仕事を工夫する際のキーワードは、「具体化」です。

発達障害者に対して効果的な工夫として、最も聞かれるキーワードではないでしょうか。どんな具体化が考えられるかを紹介していきます。

業務をチェックリスト化する

1つ目の発達障害者が仕事を具体化する際の工夫は、業務のチェックリスト化です。

一つ一つの業務に集中しすぎるあまり、他の業務をやることそのものが頭からすっぽ抜けてしまうことはないでしょうか?

もしくは、頭にはあるにもかかわらず、つい目の前の業務を完璧にしたい気持ちが強いがあまり、期限遅れになることはありませんか?

前者は注意力に障害のあるADHD、後者はこだわりの強いASDの方に見受けられるミスです。

こうしたミスが頻発する方は、やるべき業務内容をチェックリスト化する習慣をつけることをオススメします。

期限の明文化と視界に入れるようにすることが大事

チェックリストを作る際は、極力「〇月〇日までに報告を行う」など、期限も加えて書いておくのがコツです。書いて満足してしまったり、後回しにすることを防ぐためです。

PCを使った仕事をされている方はメモ帳機能を活用して、チェックリストを常に視界に入れておくのも効果的でしょう。

重要度の高い業務の場合は、アラーム機能でやり忘れを防いでいる方もいます。

職場が許すのであれば活用してみることを検討してみましょう。

復唱して曖昧な点を無くす

2つ目の発達障害者が仕事を具体化する際の工夫は、復唱して曖昧な点を無くすことです。

発達障害者にとって曖昧な表現による指示は苦手であることが非常に多いです。「良い感じで」、「きれいに」、「早めに」など、個人の主観によってどうとでも取れる表現が一般的な抽象表現でしょうか。

「曖昧な表現が苦手」というのは、ありとあらゆる発達障害に関する書籍・記事に書かれているので耳にタコという人もいるでしょう。

問題なのは、実際の業務だと一つの指示内容に対して、具体的表現と曖昧表現が入り混じっていることです。以下が指示の一例です。

<具体的表現と曖昧表現が入り混じっている例>

Aさん、今度の会議までに資料が100部必要だから、3月下旬までに印刷を終えて、課長に報告してください。

いかがでしょうか?

ぱっと見だと、結構具体的に見えないでしょうか?

ただ、実はそれでも曖昧な点がてんこ盛りだったりします。

Aさん、今度の会議(←今度の会議って何の会議のこと?直近で二つの会議があるけど、どっちのこと言っているの?)までに資料が100部必要(←片面印刷?両面印刷?資料は全部白黒印刷でよいの?)だから、3月下旬(←21日、22日あたりまでに仕上げた方がよいの?月末になっても大丈夫?)までに印刷を終えて、課長に報告してください。

こんな感じで実は深堀すると曖昧に感じる箇所がめちゃくちゃあったりします。

指示者は具体的に言っているつもりなので、お互いの認識に食い違いが生じ、「配慮して伝えているつもりなのにできていない」という低評価につながってしまうわけです。

こうした言った言わないのミスを防ぐためにも、指示をもらった時点で復唱をして、曖昧な点がないかどうかを確認するようにしましょう。

取り組んだ後に曖昧な点に気づいた場合は、そのままにせずに、気づいた段階で指示の復唱や曖昧な箇所の確認に努めるよう工夫しましょう。

とにもかくにも人の印象はいい加減なものです。「気づいた時点で確認」は発達障害であるかどうかを問わず、仕事の工夫点として非常に重要です。

見本提示を求める

3つ目の発達障害者が仕事を具体化する際の工夫は、見本提示を求めることです。

特に識字障害のあるLDの方は、マニュアルなどによる指示があった場合、正確に理解することが困難となります。

目で見た方が理解が進む方の場合は、見本提示による指示をしてもらうことで、ミスを防ぎやすくなります。

軽作業などの体を動かす仕事はもちろん、事務系業務でも実際にPC操作をしている様子を、横で見せてもらうようにすると良いでしょう。

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発達障害者の仕事の工夫② 「休憩」

2つ目の発達障害者の仕事を工夫する際のキーワードは、「休憩」です。

一部の発達障害者の特性には、過集中があります。一つの業務にのめりこむがあまり、本人も気づかぬうちに心身に負荷がかかっている状態です。ASDの感覚鈍麻により、引き起こされるとされています。

黙々とやっているうちは、周りから「熱心に取り組んでいる」という評価を受けやすいため、誰もが気づかぬうちに、後でしっぺ返しを食らい、ミスにつながることがあります。

また、精神疾患を持っており、日ごろから心身に気を遣う必要のある方もいます。

こうした方は、意識的に休憩の時間を取ることを勧めます。

でも大っぴらに休憩なんて取れないよ…

あからさまに休憩を取らなくても大丈夫ですよ。その場で背伸びをしたり、水分補給の時間をもらう程度でも効果があります。

休憩と言っても、1時間に数分の小休憩程度のものでも十分です。無いよりははるかにましです。

水分補給やトイレ休憩という名目で、持ち場から離れても良いと思います。事務職であれば、少し手を休めて、デスクの前で背伸びをしたりするのも良いでしょう。

意識的に休憩を取ることで、細く長くパフォーマンスを維持しやすくなります。

発達障害者の仕事の工夫③ 「整理整頓」

3つ目の発達障害者の仕事を工夫する際のキーワードは、「整理整頓」です。

この場合の整理整頓は物の整理整頓という意味もありますが、思考の整理整頓という意味も有しています。

発達障害の方の中には、一つの業務を終えた後に、間髪入れずに次の業務に取り組んで、早とちりのミスを起こしてしまう方がいます。感覚的な仕事の仕方になっているということです。

感覚的な仕事を防ぐためには、業務の合間に物と思考の整理整頓を行うことが重要です。特にADHD傾向の強い方にはオススメします。

一つの業務を終えたら、次の業務に関係ないものは決まった場所にしまっておくようにしましょう。デスクや自分の持ち場がとっちらかっていると、後で慌てる原因となり、ミスをしやすくなります。

PCの中のフォルダを整理するのも大事です。

また、次にどの業務をどのような手順で行うかを、じっくり試行してから行うことも重要です。先に述べたチェックリストや復唱が活用できるでしょう。

「それができないから困ってるんだけど…」という人は、主治医から体調・思考面でのアドバイスをもらうのも良いでしょう。

障害者雇用の場合は支援機関を活用しよう

発達障害で障害者雇用で勤務されている方は、支援機関の活用を検討してみましょう。

支援機関には職場訪問を通して、環境調整を図ってくれる場合があります。ミスに対しての工夫を一緒に考えてくれたり、上司の理解を得る手助けをしてくれます。

仕事のミスが立て続いているが、人間関係などの問題で工夫がはかりきれないという方は常に存在していまます。気兼ねしながらの仕事は精神衛生上、決して良くはありません。

障害者雇用であれば、支援機関による職場訪問を認めてくれる会社は多いので、興味がある方は調べてみましょう。

代表的な機関としては、地域の障害者・就業生活支援センターが挙げられます。以下の記事で詳しいサービス内容を紹介していますので、ぜひご覧ください。

障害者就業・生活支援センターとは障害者雇用の何でも屋!働くを楽にするためのサービス内容を総まとめ!

まとめ

  • 達障害のミスの傾向は診断名ではなく特性ありきである!まずはミスの傾向を自己分析しよう!
  • ミスを防ぐ工夫として、「具体化「休憩」「整理整頓」が挙げられる
  • 個人での工夫ができないのであれば、支援機関を活用する

いかがでしたでしょうか?

仕事のミスには原因が必ず存在します。自己分析をしたうえで、工夫点を探していけば、ミスを減らすことは可能です。周りの方の協力も得ながら、安心して働けることを応援しています。

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