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手帳無しの精神障害でも障害年金は取れる!誰も言わないリアルなメリット・デメリット教えます

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障害年金取れたら生活かなり楽になりそう。でも精神障害でも取れるの??

障害年金は精神障害でも取れますよ!なんなら障害者手帳を持っていなくてもとれるんです。

今回は障害年金について書いていきます。

この記事は以下の人におすすめ

  • 障害年金に興味があるけれど、仕組みが複雑そうでよくわからない
  • 障害年金を取りやすくするためのコツが知りたい
  • 障害年金を取るとどんなメリットがあるのかわからない

上記の疑問はよく聞く話ですが、今回の記事を見ればそれらの疑問を解決できます。

この記事を見れば知ることができること

  • 障害年金の仕組み・取得手順
  • 取りやすくするためのコツ
  • 障害年金のメリット・デメリット

一つずつ紹介していきます。

障害年金の基礎知識

それでは、障害年金の概要をお伝えしていきます。

障害年金の種類

障害年金は、障害基礎年金と障害厚生年金の二種類があります。

さっそくわかりづらく感じるかもしれませんが、初診日(≠年金申請時)にどの年金に加入していたかで受給できる障害年金の種類が変わるだけです。ちなみに初診日とは、障害のきっかけとなる症状ではじめて医師に診察してもらった日を指します。

  • 初診日に国民基礎年金のみ加入→障害基礎年金が支給
  • 診日に厚生年金に加入→障害基礎年金・厚生年金を合算した額が支給

最初に病院にかかった時は未成年だったんだけど、障害年金はもらえないの?

初診日が20歳前の場合は、障害基礎年金で申請をすることができます!

ただし、中卒・高卒で会社員になり、20歳前に初診日があるという場合には、障害厚生年金の対象となります。

利用対象者

初診日から1年6か月経過した段階で障害状態である人であれば誰でも申請できます。

ご覧の通り、精神障害であっても申請は可能です。

細かくは触れませんが、知的障害や発達障害などの障害でも取得している方は数多くいます。

でも障害者手帳持ってないから自分は取れないや…

誤解されがちですが、障害年金は障害者手帳が無くても申請できますよ!

ただし、一年半経過していない段階で症状が回復したり、重い障害でも病院にかかっていない(初診日がない)状態であれば申請対象外となります。ご注意ください。

利用条件

障害要件以外の利用条件は以下の通りになります。

  • 初診日の証明がある
  • 初診日の前日までに保険料をおさめている
  • 初診日に年金に加入している(20歳前は除く)

ひとつずつ見ていきます。

初診日の証明がある

初診日の証明として一番オーソドックスなものとしては診断書が挙げられます。

仮に最初にかかった病院で診断書が取得できなかった場合は、2番目以降の病院の診断書を使うこともできます。また、カルテに受診した記録が残っていれば、証明として活用できます。

初診日の前日までに保険料をおさめている

参照:兵庫・大阪障害年金相談センター

初診日の前日までに年金を納付するべき期間に、3分の2以上の納付(猶予・免除含む)を行っていれば申請可能です!もしくは直近一年間に未納付が無くても申請はできます。

要はしっかり年金おさめときましょーね!ってことですね。そんな余裕すらないという方は市役所で免除申請しときましょう!

初診日に年金に加入している(20歳前は除く)

初診日に年金に加入していることも条件となっておりますが、20歳以上~60歳までは年金に強制加入ですので、そこまで留意する必要はないでしょう。

先ほど述べた通り、20歳前が初診日であっても国民基礎年金加入扱いで対応となります。

支給額

支給額は図の通りです。

精神障害、特に統合失調症などは若年層に発症することが多く、障害基礎年金での申請者が多いです。

また、このブログを見ている方は就労に関心を持っているorしている方が多いかと思いますので、現実的に支給されうる等級としては障害基礎年金2級が想定されます。

障害年金1級はほぼ寝たきりの方が支給対象として想定されています。私も過去に1人しかお会いしたことがありません。

障害基礎年金2級を例に挙げると、2か月1回の支給で13万円(月換算で6.5万円)となります。

精神障害者の障害年金の支給手続き

それでは、次に障害年金の支給手続きを時系列順に整理していきます。

一定の症状があるかを確認する

初診から一年半経過しても回復していない症状があるかどうかを確認しましょう。たとえば、「うつ病」と明確に診断されていなくても、うつ状態が一年半以上続いていたら申請は可能です。

あらためてお伝えしますが、障害者手帳が無くても申請が可能なので、不安な方は主治医に相談してみましょう。

もう何年も病気だから確認の必要はないよね

いえ、必ず初診から一年半がどの時点かは確認してください。

一年半経過段階の日を「認定日」と呼ぶのですが、障害年金は認定日からさかのぼって支給計算がされるからです。

つまり、認定日は(支給認定がおりた場合)どれくらいのお金がもらえるかどうかの指標になります。

初診日の証明を取る

次に初診日の確認をしましょう。

初診日の証明は診断書がベースとなります。まずは医療機関で主治医に「障害年金の申請のために、診断書を書いてほしい」と申し出てみましょう。よほど症状が軽いというレベルでなければ、診断書を作成してくれると思います。

必要書類を揃える

次に、障害年金の申請に必要な書類をそろえましょう。

必要書類は図の通りです。一つずつ確認していきましょう。

  • 年金請求書→各市区町村の役場にあります
  • 診断書→年金相談センターの窓口に所定の様式があります。原則、認定日以降且つ提出する日の3か月以内のものが有効です
  • 申立書→障害者本人や代理人が作成します。障害の状態を確認するために、日常生活状況を記した書類です。
  • 年金手帳→番号部分がわかればコピーで代用可能
  • 受診状況等証明書→初診の病院と診断書を作成した病院が異なる場合は添付します。

※ 「申立書」と「病歴・就労状況など」は同一の書類です

申請

やっとの思いで申請を終えたら、いよいよ申請となります。

請求から支給決定通知までには、約3~4か月を要します。長い!結果を早く知りたい!と感じる方は多いと思いますがここはグッと我慢です。

支給

支給決定が降りたらすぐに支給される…と思いきや、決定通知から初回受取日までは約50日かかります。

しかし、それ以降は偶数月の15日に2か月分の障害年金が支給されます。15日に2か月分の障害年金が支給されます。

申請から初回の支給までには約半年かかると覚えておきましょう。

不服申立て・再審査

障害年金に審査に落ちた場合はどうすればよいの?

もし審査に落ちた場合は、不服申立てを行うことができます。支給決定通知の翌日から3か月以内に文書もしくは口頭で行います。審査請求に落ちた場合、再審査請求もできますが、どちらも認められるのは5%未満(令和元年度)とされており、決して高くはないです。

参考→厚生労働省 社会保険審査会

障害年金は何回でも申請できるので、障害状況が悪化した時に再申請を行うのも一つの手です。

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精神障害者の障害年金の取得実態

ぶっちゃけどれくらいの確率で取れるの?

はい、一番気になるところですよね。今まで私が精神障害者の支援で見てきた障害年金の取得実態をお伝えします。

精神障害者の障害年金取得難易度

ずばり、申し上げると以下の通りです。

障害者手帳2級相当だと障害基礎年金および厚生年金2級の取得が望みあり。

障害者手帳3級相当だと障害厚生年金3級なら取れるが、障害基礎年金2級はかなり難しい。

おおむね精神保健福祉手帳の等級と障害年金の等級の障害程度は一致しています。障害者手帳3級相当の方が障害基礎年金を取得を検討する場合は、かなり分が悪い勝負になるでしょう。

手帳3級の方の場合、「主治医から取得は難しいと言われてしまった」という方は少なくないです。障害基礎年金に3級があれば良い話ではあるのですが、現行の制度では存在しない以上、仕方がありません。

厳しいようですが、骨折り損にならないように、現実的な取得難易度は把握しておきましょう。

取りやすくするためのコツ

とはいえ、生活がかかっている以上、少しでも取得確率は上げたいところですよね。

ずばり、取得されている方は以下のような方法で申請しています。

自分が障害を負ってから一番症状が重かった時期を記載する

え?それだけ?と思うかもしれませんが、実際に取得している方はこの点にかなり気をつけて申請書類を書いています。診断書も症状が重いように書いてもらうように主治医とかけあっている方が多いです。

率直に言えば、表現を盛って書いているということです。もちろんウソはいけませんし、かけあったところで書いてもらえないと思いますがね。

もっと本質的なことを言えば、診断書をどのように書いてもらうかを相談できるくらい、普段から主治医と関係性を深めておくことが大事だということです。

基幹相談支援センターを活用して障害年金取得をスムーズに進めよう

障害年金の申請には、複雑な申請や主治医との関係性構築、様々なハードルがあるのは事実です。

一人で進めていくのは不安という方はぜひ地域の基幹相談支援センターを活用しましょう。

基幹相談支援センターは市区町村が任意で設置できる、障害者の生活相談をしてくれるセンターです。相談範囲は障害年金の申請サポートはもちろん、住まいや家族関係のことなど多種多様です。

サポートに手慣れている職員も多いため、少しでも不安があるようであれば利用をオススメします。

基幹相談支援センターは以下の記事で詳しく取り上げています。ぜひ参考にしてみてください。

基幹相談支援センターとは生活支援の専門相談機関!【生活困窮から引きこもりまで何でも対応】

障害年金のメリット・デメリット

最後に、障害年金のメリット・デメリットを紹介します。

障害年金のメリット

金銭的な余裕が生まれることで人生の選択肢が増える

色々メリットはありますが、とにかくこれに尽きると思います。

仕事で障害年金の支給額と同じくらい、収入を増やそうとするとおいそれとはいきません。障害基礎年金2級の場合、月換算で6万5千円が入るため、一人暮らしや好きな趣味に勤しんだりと、余暇の選択肢がグッと増えます。安定的な収入として精神的余裕が生まれます。

多少給与条件が下がっても、配慮を受けながら障害者雇用で働くという選択肢も生まれてきます。障害者雇用については、以下の記事を参考にしてくださいね。

【当事者向け】障害者雇用はデメリットしかない!←メリットの方が多いです、断言します

精神障害者の就職攻略法紹介!就職前後で失敗しない3つのポイント教えます

様々な可能性を広げてくれる精神障害者にとって大きい社会資源の一つと言えます。

障害年金のデメリット

キャリアアップの妨げになる可能性がある

万能に思える障害年金にも実はデメリットがあります。

なぜ、障害年金がキャリアアップの妨げになるのでしょうか?

それは症状の改善が見込まれる状態と認められた場合、年金支給が打ち切りになる可能性をはらんでいるからです。

私が担当している精神障害者で業務で就業条件の延長を打診されている方がいます。彼は勤務態度もまじめで、企業側からの評価も高いものでした。しかし、彼はその打診を飲むことはありませんでした。

というのもフルタイムで就業した場合、障害年金をもらう必要のないほど症状が安定しているとみなされる可能性があるからです。やろうと思えばできるかもしれないけれど、あえて受け入れないという選択をされたのです。

生活がかかっている以上、多くの方が同じ選択をするかもしれません。私が就労支援をしている中で最もジレンマを感じる部分でもあります。

障害年金制度がさらに柔軟に運用され、キャリアアップと両立できるようになれば良いと望んでいます。

まとめ

  • 障害年金は手帳無しでも一年半継続している障害があれば申請できる
  • 申請には主治医の診断書や申立書などの書類を準備する必要がある
  • 症状が重い時期の状況を診断書に記載することで取得確率を上げられる
  • 人生の可能性を広げてくれる社会資源だが、症状の回復により支給の打ち切りのリスクもある

いかがでしたでしょうか?

障害年金は奥深く、実はこれでもまだすべてを説明できたわけではありません。

もし障害年金のことをさらに深く知りたい、身の回りの人にも広めたいという方は、「世界一やさしい障害年金の本」(学研)という本をオススメします。

今回伝えきれなかった、「障害年金をもらうと将来の年金支給額に変化はあるの?」「複数の障害があった場合はどのように審査されるの?」という疑問も、イラスト付きでわかりやすく解説されています。

記事を作成する参考にもさせてもらいました。リンクを貼っておくので、ぜひ一度手に取ってみてください。世界一やさしいは伊達じゃないですよw

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