障害者雇用を知る

障害者雇用の仕事内容を紹介!誰でも実態が丸わかり【差別はないけど区別はある】

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障害者雇用って一般雇用と仕事内容にどんな違いがあるの?

職種の違いはありませんが、仕事内容は障害者用にアレンジされています。

障害者雇用求人の仕事内容は一般雇用枠とほとんど変わらないものから、配慮を受けやすいようにアレンジされているものから多種多様です。

地域差もあるため、傾向がつかみにくい部分は否めません。そこで、今回は障害者雇用で代表的な5職種をピックアップし、障害者雇用での仕事内容の傾向と、キャリアアップイメージを支援経験を基に紹介します。

障害者雇用に興味を抱いている方はぜひ最後までご覧ください。

この記事を見れば知ることができること

  • 障害者雇用における代表的な職種
  • 仕事内容の傾向・配慮されやすい点
  • 各職種でキャリアアップする場合に必要な能力

それでは一つずつ見ていきましょう!

障害者だから就けない職種は原則ない

まず、障害者雇用の仕事内容を紹介する前にお伝えしたいこととして、障害者だから就けない仕事はないということです。

就職相談をされる方の中に「障害者雇用だから就ける仕事に限りがあるんでしょ?」という質問をされる方が毎年一定数います。

結論として、障害があるという理由だけで就けない職種はありません。もっと言えば、障害という理由で特定の仕事をさせないことは障害者差別に当たります。

障害者雇用に関する規定を定めている障害者雇用促進法では、障害者の募集・応募に関して健常者と同じ機会をもうけることとされています。

そのため、障害者だからという理由だけで就けないという職種は無いという理屈になるわけです。

差別はないけど区別はある

でも障害者雇用求人だと営業とかの求人ってあんまり見ないよ、それって差をもうけているんじゃないの?

鋭いですね!ニーズの多寡によって職種差別はないけど区別はあるんです。

では、障害者雇用求人と一般雇用求人において、募集している職種数に差はないのか?

一言で言えば、ガッツリ存在します。

たとえば営業の仕事がわかりやすいかと思います。障害者雇用求人において営業の仕事で募集をかける会社は一般雇用に比べて極端に少ないです(興味のある方はハローワークインターネットサービスなどで調べてみてください)。

理由は一つで、お互いにとってニーズがないからです。

営業で言えば、高度なコミュニケーション能力が求められたり、精神的負荷が高くなりがちな職種です。そのため、精神・発達障害の方にとってはニーズが極端に少ない職種になります。

そもそも応募されない職種の募集をし続けたところで、空求人の状態が続くため、企業にとってもうまみはありません。仮に雇用しても、精神的負荷から退職されてはお互いにとって良い結果になりません。

結果として、営業職の募集自体が少なくなるという構図に落ち着きます。

このように、はじめから障害者にとっても企業にとってもニーズが少ない、もしくは職場定着が望めないと思われる職種に関しては、求人そのものが少ない傾向にあります。

はた目から見ると、障害者雇用は職種が制限されているように映ってしまうわけですね。ただ、企業の視点で見た場合、差別ではなく、適材適所という意味での区別をしているわけですね。

もし募集の少ない職種にチャレンジしたい場合は、別職種から入社して、異動・配置転換希望を通して職種を変更するという手段もあります。

それでは次のセクションからは、障害者雇用における代表的な仕事内容を紹介していきます。

仕事① 事務職

1つ目の障害者雇用の仕事内容は事務職です。

王道の職種の一つと言っても良いですね。

特徴① 事務補助系が多い

事務とひとくくりに言っても、事業部で企業運営をしたり、広報や会計、総務などで活躍する人もいます。障害者雇用での事務職の特徴としては、事務補助業務が多いことが挙げられます。

仕事内容としては、ファイリングやデータ入力、資料作成などが中心であることが多いです。また、仕事内容の兼ね合いから、総務課配属の方が多い印象を受けます。

上記の事務補助業務は、未経験でもキャリアを積めること、急な体調不良やヒューマンエラーが起きても、カバーが利きやすい点が特徴にあります。

また、ゆくゆく正社員登用を考えている企業にとっても、まずはどれくらい職場に適応できるかを図るうえでも、アセスメントがしやすいという観点から募集をかける傾向があります。

一点注意してほしいのは、事務職は他の職種と比較しても仕事の切り出しがしやすい点が挙げられます。

仕事の切り出しとは一般社員がこなしきれない業務を集約して、一つの仕事にまとめることを指します。

一見合理的なやり方ではありますが、「とりあえず切り出し」と安易に行う企業の場合、障害者社員と一般社員によるコミュニケーション量が減り、いざという時の相談がしにくくなるといった状況に陥りがちです。

もしあなたが働く側であれば、実習を通して事前に職場の雰囲気を体感できたり、何かあった時の相談役(キーパーソン)をもうけてくれる会社かどうかは確認しておきたいところです。

特徴② マルチタスク能力があるとGOOD!

障害者雇用の事務職の特徴はマルチタスクがあると有利ということです。

コピーやシュレッダーといった単一的な仕事もありますが、事務でキャリアアップを考えているのであれば、マルチタスク能力があるとつぶしが利きやすくなります。

色々な仕事を同時並行でこなせることが認められれば、仕事内容にも幅が利きます。なかには、一般雇用社員と同等かそれ以上に仕事をこなして、正社員にキャリアアップした方もいます。

マルチタスクが苦手な方は、To doリストやスマホのリマインダー機能など、自分が予定を忘れない仕組みを作るようにしましょう。

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仕事② 軽作業

続いての障害者雇用の仕事内容は軽作業です。

軽作業も事務同様、ひとくくりに言えないほど、範囲が広いです。オーソドックスな仕事内容は工場のライン作業やピッキング、検品などが挙げられるでしょうか。

それ以外にも、社内でのメール便配達など、事務職と一部重複するような仕事も、軽作業とひとくくりにされることがあります。

特徴① 健常者と仕事内容は変わらないことが多い

軽作業の仕事内容は、健常者と同じ仕事内容をすることが多い点が特徴です。言い方を変えれば、健常者とチームを組んで同じ作業を行うことが多い職種と言えます。

なかには、ピッキングのように個人でやる仕事もありますが、基本的には障害者と健常者で仕事の中身自体がまるっきり変わるといったことはありません。

特徴② キャリアアップを目指すなら基礎体力必須

軽作業でキャリアアップを目指すのであれば、やはり基礎体力は必須となります。

全身を使っての仕事となるため、とにもかくにも体が資本です。また、一部イレギュラーなものはあるものの、基本的には繰り返し作業が多いため、反復し続けることに苦痛を覚えない人が向いています。

飽きずに反復し続けられるタイプの方の中には、健常者を優に超えるパフォーマンスを出す人も少なくありません。

仕事③ 接客

3つ目の障害者雇用の仕事内容は接客です。

え?接客?と思う人もいるかもしれませんが、障害者雇用でも接客の仕事はあります。飲食店、アパレルなど、みなさんが思い浮かべるような小売店においても、障害者雇用は行っています。

特徴① バックヤード業務が多め

障害者雇用での接客の特徴は、バックヤードの仕事内容が比較的多めということです。

対人接客の場合、クレーマー応対が起こりうることが想定されます。クレーマー応対が心身に大きな負荷がかかることを想定して、バックヤード業務を多めにしている職場は多いです。

特に飲食店はその傾向が強いでしょうか。もちろん能力・希望があれば、接客業務にチャレンジは可能です。

また、計算が苦手な知的障害の方などは、レジ業務も避けさせてもらっているパターンもあります。

ただ、最近では全自動レジやセルフレジの普及により、障害者の方もレジ対応をすることが増えてきました。

特徴② 必ずしも明るくなくてよい

障害者雇用での接客業の特徴としては、障害者側は必ずしも性格が明るくなくても良いことです。

もちろん暗いよりは明るいに越したことはありません。しかし、それより重要なことは仕事への誠実さ・几帳面さです。

接客と言っても明るさ第一の対人接客要員もいれば、品出しやバックヤードの検品作業など、丁寧な仕事ぶりが優先される仕事内容もあります。

仕事内容によって求められる要素は全く異なります。障害者雇用で接客業に努める場合、決して性格が明るくなくても、接客業に就けないということではないです。

言い方は悪いですが、私が担当している方の中でも、お世辞にも性格は明るくないという人は大勢います。ただ、彼らに共通する点として、求められた仕事にストイックに取り組む点が挙げられます。

そういった仕事の誠実さは周りにも好影響を与えるため、結果的に障害者自身が居やすい環境をつくりあげることにもつながっていきます。

仕事④ 農業

4つ目の仕事内容は農業です。

農業は近年、障害者雇用を中心に急拡大してきた仕事内容です。一般企業が農家から農地を買い取り、敷地内で障害者と支援スタッフが働く形での就業形態が一般的です。

特徴① 知的障害の方が多い

障害者雇用における農業の特徴としては、知的障害の方が多く在籍している点です。

支援スタッフの指示を受けながら農業仕事を行う兼ね合いから、障害への配慮をしてもらいやすい環境にあります。

それもあってか、軽度~中度の知的障害の方の親御さんが「うちの子も安心して働けそう」という想いから就職に結びつくケースはとても多いです。

また、体を動かしながら生産活動ができる点も、知的障害の方の特性にもマッチングする要素が含まれており、近年人気が高まっています。

特徴② 質がまちまち

次の障害者雇用における農業の特徴として、質がまちまちということが挙げられます。

しっかり農作物を作って市場に還元している企業もあれば、形だけ農業を行い、実質障害者本人たちに適した作業量を担保していない農場もあります。

さらには、できた農作物がどのように市場に還元されているかが不透明な企業も多く、質が問題視されている企業も存在します。

なぜそのようになるかというと、コンサルタント企業が介在している農業パターンがあるからです。

コンサルタント企業は農家から農地を買い取り、一般企業にレンタルする形でレンタル料・コンサル料を徴収しています。

農場で働いてもらう障害者と農場サポーターをコンサルタント企業が採用するため、雇用管理の権限がどちらにあるのかが不透明です。

そもそも、採用した障害者+農場サポーターをコンサルタント企業がどこのレンタル企業の所属になるか割り振ることが多いため、職業選択の上で問題点があります。

レンタル企業側は法定雇用率を満たせるため、メリットはあります。しかし、働く側からすれば、まだまだ質の面で疑問視される点が多いのが実情です。

障害者雇用における農業に興味のある方はぜひ以下の記事も見ていただけると良いでしょう。

【炎上覚悟】農福連携の問題点を考える。【障害者雇用率ビジネスには要注意!!】

仕事⑤ その他専門職

5つ目の仕事内容は各種専門職です。

今までの職種を除いた障害者雇用での仕事内容としては、プログラミングやデザイナーなどの各種専門職も候補に挙がります。

最近ではWebライターや動画編集などを障害者雇用の仕事として行っている方も見受けられます。

特に、プログラミングは近年就労移行支援事業所を中心に、福祉サービスでトレーニングを受けることができる機関も増えてきており、普及が顕著です。

参考:manaby

特徴① 求人紹介先の確保が大変

専門職の仕事内容の特徴として、求人の確保が大変であることが挙げられます。

特にSEやデザイナーといったICT機器を使った職種は都心部に求人が偏っていることが多く、地域によって求人数の差が顕著です。

先ほど触れた通り、プログラミングを学べることをウリにしている就労移行はあるものの、出口の就職先としてどの程度、企業とパイプを確保できていないことも想定されます。

ただ、こうした職種はテレワークとの相性が良いという利点も持ち得ています。

障害者雇用専門の転職エージェントであれば、テレワーク求人を取り扱っていることが多いため、興味のある方はリサーチしてみても良いでしょう。

以下に代表的なエージェントと参考記事を掲載しておきますので、ぜひ参考にしてみてください。

  • dodaチャレンジ
  • atGP

参考記事:障害者雇用でホワイト企業に就職したい方にオススメする転職エージェント3選

特徴② スキルを磨けば収入アップをしやすい

次の専門職の仕事内容の特徴として、スキルを磨けば収入アップがしやすい傾向が挙げられます。

こちらもSE(プログラミング)を例にしてみます。

プログラミング技能はどこの企業であったとしても、扱う言語・工程が同じであれば不変の技術になります。キャリアを積め分だけ、スキルの積み上げも期待できる仕事内容になります。

こうした専門技能はクラウドソーシングサービスを通した副業と非常に相性が良いです。

自社で給与アップが望めなくても、外注サービスを通して副収入を得られるため、他職種よりも収入アップのチャンスに恵まれていると言えます。

その分、自己研鑽をし続けなければいけないため、スキルアップそのものに対してエネルギーを割けない方には不向きな職種と言えます。

クラウドソーシングサイトを利用すれば月3万円以上の収入アップも見込めるため、副業OKの会社であれば無理のない範囲でチャレンジしても良いでしょう。

障害者こそ副業しよう!月3万円の副収入ゲットの方法を伝授!【おすすめはWebライター】

まとめ

  • 障害者雇用の仕事内容・求人数は差別はないものの、お互いのニーズによって区別化されている
  • 代表的な仕事内容としては、事務、軽作業、接客、農業、各種専門職などが挙げられる
  • それぞれの職種によって求められる技能やキャリアアップパターンは異なる

いかがでしたでしょうか?

今回取り上げた職種は一部にしかすぎません。まだまだ色々な職種が存在しており、それぞれに求められる能力は異なります。

もし希望する職種があれば、今回の記事を参考に自分の道筋を決めていっていただけると嬉しいです。

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