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就労支援員の仕事はきつい!それでも続けられる理由を紹介します!【ストレスかかるけどやりがい有り】

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就労支援員の仕事に興味あるんだけど、仕事がきついって聞くんだ。実際のところどうなの?

正直に言えば、きついことは多いです!対人援助職なので、ストレスはかかりやすいですね。その分、やりがいも多いです。

就労支援員は、一般就労を目指す障害者に対して就職や就職後の各種サポートを行う支援員を指します。対人援助の仕事であるため、やりがいもある分、ストレスもかかりやすい仕事です。

今回の記事では、どの点において就労支援員の仕事がきついのかを紹介していきます。また、就労支援に10年弱携わっている観点から、仕事を続けられる理由も紹介していきます。就労支援に興味がある方はぜひ最後までご覧ください。

この記事を見れば知ることができること

  • 就労支援員の仕事がきつい理由
  • 就労支援員の仕事をうまく続けていく方法
  • 就労支援員の仕事のやりがいとは何か

それでは一つずつ見ていきましょう。

就労支援員の仕事がきつい理由3選

それでは、さっそく就労支援員の仕事がきつい理由を紹介していきます。

就労支援員がきつい理由はズバリ、人間関係のストレスで困りやすいからです。なぜ、支援職のはずなのに人間関係で悩みやすくなるのでしょうか?現役支援員の観点から解説していきます。

なお、就労支援員がどのような業務を行うかは以下の記事をご覧ください。

就労支援員になるには何が必要?仕事内容、必要な人柄、給与まで全て紹介!【現役支援員解説】

①利用者との人間関係に悩みやすい

1つ目の就労支援員の仕事がきつい理由は、利用者との人間関係に悩みやすいことです。

「一般就労を目指す」という目標が利用者と一致しているのに、悩むことってあるの?

良い質問ですね!障害特性ゆえに、意志疎通がしづらさや言った言わない問題が生じることが理由に挙げられます。

たとえば、一般就労を目指したい利用者がいれば、就労に向かっての各種相談や訓練などの個別サポートや紹介を行うのが就労支援員の役割になります。

その際、利用者の希望に沿いながら、双方が納得の上で支援が開始できるに越したことはありません。

しかし、障害者の就労支援の場合は、一筋縄ではありません。人によって乗り越えなければいけない課題があったり、就活状況によってはなかなか採用に至らないことは珍しいことではありません。

利用者の障害種別によっては、そうした自分の思い通りにならないことに対して、納得できない方もいます。結果的に「支援員の○○さんが自分の思うとおりに就活させてくれなかった」など、言った言わないのトラブルに発展することもありえます。

また、好意的な利用者さんであっても、どこまでも支援しようと思うと、際限が無くなり、燃え尽き症候群(バーンアウト)が起こりやすくなります。

主に介護や医療に多いとされる燃え尽き症候群ですが、障碍者福祉も成果が目に見えにくいため、起こりやすいとされています。

「そういう意図で助言していないのに…」といったように、利用者の人間関係に悩み、きつさを感じやすくなります。

必要に応じて今後の段取りを文面化するなど、言った言わないを防ぐ工夫は必要になるでしょう。

②支援感のくい違いが起こりやすい

2つ目の就労支援員の仕事がきつい理由は、支援感のくい違いが起こりやすい点です。

支援感とは、「利用者の今後を考えた時に、こうした支援が必要ではないか?」という支援員の支援に対する考え方全般を指します。

実は。支援感のくい違いは、障害者本人と支援員との関係以外でも起こりえます。就労移行などの福祉サービスの支援員であれば事業所側、企業内で支援業務をしている方は企業本部(親会社)との間で起こりやすいです。

たとえば、就労移行などで就職者の年間目標数をノルマとして掲げられている場合、課題がある方であっても、とりあえず就活させてから問題に着手しようと考える事業所も存在します。

まだ訓練段階だと現場の支援員として感じていれば、ジレンマから精神的なきつさを感じることになります。

課題のある利用者が就職した後、トラブルに発展した場合、アフターフォローにおいても負荷が生じやすくなります。

また、企業内の支援員であっても、支援感のくい違いによるきつさは起こりえます。

現場内でトラブル(暴力沙汰など)を起こした障害者社員がいた場合、情状酌量の余地を与え、改善できるかを猶予期間を与えてくれる企業も存在します。

一方で、そういった法に触れるようなトラブルがあれば、問答無用で退職勧告をさせる企業も存在します。もし現場の支援員である自分が、チャンスを与えたいと思っても、企業本部が退職の決定を下した場合は逆らうことができません。

自分自身と企業との間での支援に対する考え方のくい違いを感じ、仕事のきつさにつながってしまうというわけです。

支援の方向性は一概に言えないものの、障害者や現場の支援員の考えをくみとってくれる事業所・企業が増えてくれば、支援の食い違いによるきつさは緩和されると思われます。

また、企業担当の支援員になるのであれば、「手のひら返しをしない」など、いくつか知っておくべき視点があります。詳しくは以下の記事をご覧ください。

障害者雇用の企業担当が知るべき雇用力が身につく4つの鉄則【知識より向き合い方】

③ケースバイケースの対応が求められる

3つ目の就労支援員の仕事のきつさは。ケースバイケースの対応が求められる点です。

なんとなくケースバイケースの対応が多そうだからきついというのは、就労支援に興味を抱く人であれば感じ取れるかと思います。

就労支援員は対人援助であるため、「こういう対応をすれば正解」というテンプレートは存在しません。就職をしたい方に対して後押しする場合がベターの時もあれば、一度本人や家族とも相談して保留すべき場面もあります。

判断を間違うと、就職後にトラブルになり、障害者本人や企業側、果ては支援者自身の首を絞める結果につながりかねません。

最近思うのですが、ベンチャーの就労移行などで、利用者対応をスキーム化しようとしすぎて、結果的に後手後手の対応を迫られている事業所が多いように感じます。

とはいうものの、未経験の支援員にとってケースバイケースという言葉ほど、きつさを感じるものはありません。どこからどこまでが関係機関と共有すべきことなのか…ということがわからず、きつさから退職してしまう支援員さんはとても多いです。

就労支援独特のケースバイケースに対して、きつさを感じる支援員へのフォローアップ体制は非常に重要と感じます。

こればっかりは経験を積むしかありません。経験のないうちは、しつこいくらい上司と報連相して対応方法を学んでいきましょう。

就労支援の仕事がきついのに続けられる理由3選

続いて、就労支援の仕事がきついのに仕事を続けられる理由を3つ紹介していきます。

私も最初は未経験者で色々な人の協力を得ながら10年弱、支援業務に従事してきました。なぜ、きつさがあるのに続けてこられるかをお伝えしていきます。

①頑張れば頑張るだけ、誰かの役に立てる

1つ目の就労支援の仕事がきついのに続けられる理由は、頑張れば頑張るだけ、誰かの役に立てることです。

就労支援の仕事は、どんな場所で働くのであれ、「障碍者のため」という福祉的な要素が中心にあります。そのため、本人のためにならないことは仕事として取り扱うことはありません。

私が以前勤めていた一般企業は、社内でパワーがある上司に対して忖度を行い、本来必要ではない業務をせざるを得ない環境でした。今の世の中だったらアウトだと感じることも少なくありませんでした。

一例として、支店への営業の強要などがありましたが、正直発破をかけて数字が伸びるわけでもありませんでした。つまり、頑張れば頑張るだけ、マイナスにしかならない仕事をポーズとしてやらざるを得ない社風が蔓延していました。

新卒で勤めていたため、「社会人とはそんなもの…」と言い聞かせていましたが、きつさは常日頃から感じていました。

しかし、転職してからは障害者のためにつながる仕事に専念できるようになりました。誰かの忖度のために仕事をすることなども一切なくなりました。

一言で言えば、頑張っても何の役にも立たない仕事から、誰かの役に立てる仕事になったということです。この違いはとても大きかったです。

頑張れば誰かの役に立てる、仮にうまくいかなかったとしても、他の支援で経験が活かせる事実は、私が仕事を続けるに十分に値するものでした。

②勉強内容を実務に活かしやすい

2つ目の就労支援の仕事がきついのに続けられる理由は、勉強内容を実務に活かしやすい点です。

この場合の”勉強”とは就労支援の経験や資格・研修などによって得た知識を指します。先ほど述べたように、就労支援の本質は、障害者のためになることを行うことです。

事業者向けの各種研修は、利用者に還元できるノウハウが多く詰め込まれたものとなっており、他業種以上に実務に活かしやすいものになっていると感じます。

私の経験で恐縮ですが、一般企業の場合、とにかく社内政治が大事というところが存在します。どこまで勉強しようと結果的にだれが上司になるかで無意味に終わるケースもあり得ます。

福祉の世界であってもそれは同様ですが、どこまでいっても対人援助である以上、ノウハウは活かしやすい業種であると感じます。

勉強する分だけ業務にアウトプットできるやりがいは、きつさがあっても、メリットの方が大きいと感じています。

じゃあ大学や専門学校での勉強していないと就労支援って難しいのかな?

私自身、社会福祉系の学部を卒業しましたが、大学の勉強は学術的な内容に寄っていることがほとんどです。正直学校で学んでことよりも、業務経験の方がはるかに大事なので、ご安心ください。

③同じ志を持つ仲間を作りやすい

3つ目の就労支援の仕事がきついのに続けられる理由は、 同じ志を持つ仲間を作りやすいことです。

私がこの業界に来て驚いたことは、事業所同士のネットワークがとても強いことです。就労支援は就職以外にも生活や医療のケアも必要になるため、他機関も含めて仕事をすることが、とても多いんです。

何回も連携して仕事をしていくことで、お互いに信頼感が生まれてきます。

一般企業の場合、良くも悪くも自分の会社や部署だけで完結することが多いです。競合他社はライバルになるため、ネットワークが構築されることはほとんどありません。

その点、就労支援の世界は就労移行同士、医療機関同士などで研究会があるなど、業界全体で仕事をしていくことで仲間が生まれるやりがいがあります。

こうしたネットワークの場などを通して、仕事の愚痴もはけるので、きつさも緩和されますし、モチベーションも上げやすくなるメリットがあります。

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【結論】仕事に本質的なやりがいを求める人には向いている!

ここまで就労支援員の仕事のきついところ、続けられる理由を紹介してきました。結論として、就労支援員の仕事は本質的なやりがいを求める人には向いていると言えます。

私は何かに忖度して、本来必要な業務ができないのが超がつくほど嫌いだったので、向いていると言えたのかもしれません笑

一方で、とにかく成果を上げて高年収を得ていきたいというストイックさがある方にとっては不向きな仕事かもしれません。というのも、就労支援の仕事はどこまでが正解か不正解かの判別がつきづらい点が特徴です。

これくらい成果を上げればキャリアアップできるという指標が少ないため、成果主義の人にとっては、かえってきつさを感じてしまうかもしれません。

また、他機関とのネットワークが不可欠である点から、自己完結して仕事をしたい方にとってもオススメはできません。

とはいえ、就労支援に向いている人であっても、キャリアを積んだからきつさがゼロになるということではありません。

就労支援を行う以上、だれしもきつさを感じます。きつさ以上に就労支援の仕事にやりがいを感じられるかどうかが焦点になるでしょう。

とはいえ、きつさが永遠に続くことはないです。どんな支援も一定の終結がありますし、一人ではなく複数名体制で関わるケースもあるので、必要以上に不安を感じずにチャレンジしてほしいです。

まとめ

  • 就労支援員の仕事は利用者との人間関係、支援感のくい違い、ケースバイケースの対応できつさを感じやすい
  • 頑張るだけ誰かの役に立てたり、実務に活かしやすいだけでなく、同じ志の仲間ができる点がやりがいとなる
  • 就労支援は忖度などは抜きに、仕事に本質的なやりがいを求める人には向いている仕事である

いかがでしたでしょうか?

何事もやりがいの裏にはきつさはつきものです。自分がきつさを感じないかどうかではなく、それに見合うメリットを感じられるかどうかという視点で、就労支援員の仕事に興味を持ってくれればうれしいです。

ぜひ、今回の記事を参考にしてみてくださいね。

永遠にきつさが続くケースはほとんど無いです。

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