キャリアアップのために精神保健福祉士の資格取得を考えています。でも受験資格を得るための手順がいまいちわかりません…
精神保健福祉士は受験資格を得るまでに所定の科目を修める必要があります。いくつか資格を得るためのルートがあるので、図解で確認が必要です。
精神保健福祉士は誰でもすぐに国家試験を受けられるわけではありません。受験資格を得るためには、所定の科目や実務経験の有無が問われます。福祉系大学卒か一般大学卒かによっても大きく異なります。
今回の記事ではややこしい精神保健福祉士の受験資格を得る方法をパターン別に紹介していきます。
この記事を見れば知ることができること
- 精神保健福祉士を取得するためのルート
- 精神保健福祉士取得までに日数
- 精神保健福祉士養成施設の選び方
それでは一つずつ見ていきましょう。
Contents
精神保健福祉士受験資格ルートはいくつもある
精神保健福祉士の受験資格を得るルートは数多くあります。ずばり、以下の通りです。
あ~、「精神保健福祉士 受験資格」ってググったらこの図があったんですよね。なんかルートがいくつもあって、少しややこしく感じてしまいました。
試験までいきつくのが面倒くさそうという印象を受ける方も多いかもしれませんね。
精神保健福祉士の受験資格は数えるだけで11個ものルートがあり、ややこしく感じやすいです。しかし、パターンに分けると、以下の4つにまでまとめることができます。
精神保健福祉士の受験資格ルート
- 福祉系大学・短大卒ルート
- 一般大学・短大卒ルート
- 実務経験者ルート
- 社会福祉士保有者ルート
次のセクションからはルート別にどのように受験資格を得るのかを確認していきます。自分に当てはまる部分を読んでみてくださいね。
受験資格ルート① 福祉系大学・短大卒業者

1つ目の精神保健福祉士の受験資格を得るルートは福祉系の大学・短大を卒業する方法です。
福祉を志す学生にとっては、最も王道の取得方法と言えます。4年制大学と短大とで取得のルートが異なります。
4年制福祉系大学卒業者
4年生の福祉系大学とは社会福祉事業大学などの、精神保健福祉士の指定科目を履修できる大学を指します。
総合大学の社会福祉学科であっても、指定科目を履修できる大学であれば、同じ福祉系大学の括りと考えてもらって構いません。精神保健福祉士を取得できるメジャーな総合大学としては、立教大学のコミュニティ福祉学部や法政大学の現代福祉学部などが挙げられます。
精神保健福祉士の指定科目は、公益財団法人社会福祉振興・試験センターのHPにて確認してみてください。
指定科目を履修した卒業生(見込み含む)は例年2月上旬に行われる精神保健福祉士の国家試験にチャレンジすることが出来ます。
福祉系短大卒業者
福祉系短大は、精神保健福祉士の指定科目を履修することができる短大を指します。
おおまかな資格取得ルートは4年制福祉系大学とほぼ同じです。
大きな違いは、ただ卒業するだけでなく、実務経験も必要になると言うことです。3年制の短大であれば1年、2年制であれば2年以上の実務経験が必要です。
つまり、精神保健福祉士に関する学習・実務経験が通算で4年間必要となるということです。
どこの職場でも実務経験にカウントしてくれるんですか?
いいえ、精神障害者にサービスを提供する事業所に限られます。
具体的にどの事業所が実務経験にカウントされるかは以下のページをご確認ください。
実務経験者である認定を受ければ、あとは国家試験を受けるのみです!
履修漏れ・基礎科目のみの履修者は6か月以上の養成機関に通う必要がある

実は私、福祉系大学を卒業しているんですけど、指定科目はすべて履修していなかったんです…この場合ってどうなるんですか?
履修漏れや基礎科目のみの履修者は指定の養成機関で半年以上のカリキュラムがある養成機関に行く必要があります。
福祉系大学を卒業しても、全員が全員、精神保健福祉士の指定科目を履修しているわけではありません。福祉系学科の場合、社会福祉士は取得できても、精神保健福祉士の指定科目は履修できないという学科も多いです。
指定科目を履修していない場合は、指定の養成機関(福祉系専門学校など)で半年以上の指定カリキュラムを履修すれば、精神保健福祉士の受験資格を得ることができます。
注意点として、最低限、基礎科目は履修しておく必要があることです。基礎科目とは、指定科目の中で福祉系の職種との共通性が高い基礎的な科目全般を指します。基礎科目もあらかじめ定められています。
福祉系大学卒業イコール基礎科目履修者ではないので、必ずチェックしておきましょう。
ちなみに基礎科目すら履修していないとどうなるんですか?
その場合は一般の大卒と同じ扱いになります。養成機関で一年以上の受講が必要になります。
福祉系大学・短大卒業者の精神保健福祉士取得ルートまとめ
- 4年制福祉系大学卒業者(指定科目履修者)は卒業後すぐに受験可能
- 福祉系短大(指定科目履修者)の場合、1年~2年の実務経験が必要
- 基礎科目のみの履修者は卒業後に最低半年以上、養成機関に通う
- 基礎科目も履修していなければ、最低1年以上、養成機関に通う
受験資格ルート② 一般大学・短大卒業者

2つ目の精神保健福祉士の受験資格を得るルートは一般の大学・短大を卒業する方法です。
卒業後に一般企業を経てから、福祉を志すという方に多いパターンかと思います。ちなみに私も福祉系の学科ではあったものの、指定科目は履修していなかったので、このパターンになりました笑
一般大学卒業者

一般大学を卒業した後に精神保健福祉士の受験資格を得るには、1年以上養成施設で指定のカリキュラムを受ける必要があります。
働きながら精神保健福祉士取得を目指す方が多い層でもあります。そのため、多くは通信制の養成機関を利用しています。
注意点として、通信制の養成機関は1年6か月程度の期間でカリキュラムが組まれている場合がほとんどということです。本来、通学で丸一年かけて消化するものを、働きながら且つ通信で一年で消化するのは無理がありますもんね。
つまり、通信の養成機関を利用する場合、大学卒業後に精神保健福祉士を取得するためには、最短でも2年間かかることになります。
卒業後に就職せずに資格取得を目指すという場合は、一年間で取得を目指すこともできます。
一般短大卒業者
一般の短期大学の場合は、卒業後に実務経験を経てから、養成機関で学習をする必要があります。
養成機関の利用有無を除けば、福祉系短大の方と同じ取得ルートとなります。そのため、2年制の場合は2年以上、3年制の場合は1年以上と、通算で4年以上になるように在学・実務を経験しておくことになります。
一般大学・短大卒業者の精神保健福祉士取得ルートまとめ
- 4年制大学卒業者、1年間以上の養成機関を利用する
- 短大の場合、1年~2年の実務経験を経てから養成機関を利用する
- 通信課程の場合、1年半以上でカリキュラムが組まれているので、その年度の試験は受けられない
受験資格ルート③ 実務経験者(高卒でもOK)

3つ目の精神保健福祉士の受験資格を得るルートは、4年間の実務経験を経て受験資格を得るルートです。
今まで述べたルートだと、大学や短大を卒業していないと受験資格が取得できないと思いがちですが、それは違います。仮に中卒・高卒であったとしても、相談援助の実務が4年間あると認定されれば、受験資格を得ることができます。
実務経験を経た後は、一般の大卒と同様、1年以上養成機関で学習を行わなければなりません。
受験資格ルート④ 社会福祉士取得者

4つ目の精神保健福祉士の受験資格を得るルートは、 社会福祉士の資格保有者であることを活用する方法です。
無資格者と異なり、社会福祉士をすでに保有している場合、大学卒業+基礎科目履修済みと同じ扱いにしてもらえます。
そのため、6か月以上の養成機関での学習を終えれば、受験資格を取得することができます。
養成施設は通信制・学費の安さ・立地で選べばOK!

これまでに「養成機関」って言葉が何度か出ましたが、どこがオススメなんですか?
養成機関は通信制の有無、学費、立地の3点がクリアできているところを選ぶのがオススメです。
精神保健福祉士の養成機関はたくさんあって迷うポイントの一つですよね。
ズバリ、養成機関は通信制の有無、学費、立地の3つで選べばOKです。
ポイント① 通信制コースの有無
通信制コースがある機関であれば、社会人として働きながら学ぶことができます。個人的には精神保健福祉士は、通学コースで最短取得を目指したいと言う方以外は通信制で問題ないと思います。
というのも、精神保健福祉士は受験範囲が膨大なため、いちいち講義を受けるよりも、参考書学習で横断的に学習をした方が効果的だからです。
通信制であれば、レポート学習・スクーリング・実習以外は時間が取られることは無いため、自分のペースで学習を進めることができます。
実体験としても、通信制の方が時間を有効に活用しやすかったです。
ポイント② 学費
精神保健福祉士の養成機関はどこも数十万円の費用が掛かります。実習は実務経験があれば免除できるものの、それを差し引いても25万円前後かかるため、少しでも費用を押さえたいところです。
各養成機関のHPに料金が書いてあるので、自身で確認しておくようにしましょう。また、精神保健福祉士は専門訓練給付金という助成金制度を活用することができます。
50~70%の学費をキャッシュバックしてもらえるため、ぜひチェックしておきたい制度です。
参考:東京福祉大学 精神保健福祉士短期養成通信課程 教育訓練給付制度について
学費が安いと、カリキュラムの質が低かったりしないんですか?
細かなサービスに差はあるかもしれませんが、精神保健福祉士の勉強自体は独学が中心です。学費が安いから自分の合格に影響がでるといったものではないので、ご安心ください。
ポイント③ 立地
精神保健福祉士の養成機関を選ぶ際は自宅から通いやすいかどうかも重要なポイントです。
「え?通信制の利用をオススメしたのに立地?」と思うかもしれません。しかし、精神保健福祉士の養成機関は、通信制であっても年間に数回スクーリングの授業が義務付けられています。
そのため、数日であっても通学することを考慮して選ぶことが必要不可欠になります。学費が安くても、ホテルに泊まらないと通えない位置の場合、結果的にお金がかかる憂き目にあいかねません。
学費と立地のバランスを考慮して養成機関選びをしましょう。
私個人のオススメは日本福祉教育専門学校です。私自身が通っていたこともあるのですが、通信制で学費が他の学校よりも安いこと、高田馬場にあり、スクーリングも通える範囲であることが決め手でした。
学校の回し者ではないので、関東近郊にお住まいの方はチェックしてみてください笑
精神保健福祉士は受験資格を得るまでが大変な資格
精神保健福祉士はとにかく受験資格を得るまでが大変な資格です。正直、資格の難易度としては適切なやり方で数か月間勉強すれば、合格点に達することはそう難しいことではなありません。
しかし、どんなに優秀であっても、受験資格を得なくてはしょうがありません。そのために、1年ないし2年、人によってはさらに長い間、実務や養成機関の利用をする必要があります。
ただ、精神保健福祉士はひとたび取得すれば更新の必要はありません。何より国家資格なため、取得したことによってモチベーションを持って仕事もしやすくなります。ぜひ受験資格取得に向けて励んでみてください。
精神保健福祉士のオススメ記事を紹介しておきますので、ぜひ見てみてください。
→精神保健福祉士は役に立たないと言われる理由、取って良かった理由を紹介【現役PSW解説】
→【2022年】精神保健福祉士の勉強法解説!最短3か月で誰でも働きながら合格可能!
→精神保健福祉士になるのはやめたほうがいい?会社員からPSWになって良かったと思える3つの事実
まとめ
- 精神保健福祉士は、福祉系大卒・一般大卒・実務経験者・社会福祉士保有者の4パターンで取得ルートが分かれる
- 精神保健福祉士の養成機関は通信制の有無、学費、立地の3ポイントで選ぶ
- 精神保健福祉士は受験資格を得るまでが大変な資格、でも取れば一生もの
いかがでしたでしょうか?
精神保健福祉士は本格的な勉強をはじめるまでの下調べが大変な資格です。ぜひ今回の記事を参考に、情報を整理していただければ嬉しいです。
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