障害者雇用を知る

【企業向け】障害者雇用で雇う必要のある人数を解説【雇用率達成の極意はずばり○○!!】

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障害者社員の採用担当になりました。恥ずかしい話ですが、企業が最低どれくらいの人数を雇う必要があるのかよくわかっていません…

障害者を雇わなければいけない人数割合のことを法定雇用率と言います。法定雇用率は法律で定められており、数年ごとに変動しています。

障害者を雇う人数は企業の障害者雇用担当になった人が第一に確認すべき事項ですね。ざっくりと○人と決まっているわけではなく、企業規模に応じて雇う人数は変わってきます。

法律に関連している事柄でもあるため、どうしてもややこしくなりがち。今回の記事を参考に、障害者雇用で雇う人数や雇う前に確認しておきたい事項から、雇用率を達成するための極意をお伝えします。最後までご覧ください。

この記事を見れば知ることができること

  • 企業が障害者を雇わなければいけない人数
  • 障害者雇用を行う上で踏まえておかなければならないポイント
  • 障害者の雇用率を満たしやすくするためのコツ

それでは一つずつ見ていきましょう。

障害者を雇わなければいけない人数は全社員の2.3%!

ズバリ結論ですが、企業が障害者を雇用しなければいけない人数は全社員の2.3%(令和3年10月時点)です、以上!

…で終わったら今回の記事が終了になるので、もう少し踏み込んで法定雇用率の注意点を解説します。

事業主区分により法定雇用率は変わる

障害者を雇用しなければいけない人数のことを法定雇用率と呼びます。法定雇用率は障害者雇用促進法によって規定される、れっきとした法律上のルールです。

国、地方公共団体であれば2.6%、教育委員会では2.5%の雇用率となっており、事業主の主体によって法定雇用率は異なります。

この記事を読んでいるほとんどの方は民間企業の方だと思うので、冒頭に法定雇用率は2.3%として取り上げました。

そのため、従業員43.5人以上であれば障害者雇用を行わなければならない企業となります。

法定雇用率未達成企業は障害者雇用納付金を支払う義務がある

法定雇用率が未達成且つ従業員100人以上の企業は障害者雇用納付金を支払う義務があります。

不足している障害者数に対し、1人あたり5万円を月額で納める必要があります。

よく勘違いされがちですが、障害者雇用納付金は罰金ではありません。障害者雇用納付金はすでに障害者雇用を行っている企業との間の経済的負担を調整を図るものです。つまり、企業間の相互扶助のための制度となります。

罰金というイメージが第一に来てしまうと、障害者雇用を義務的にやらなければならないイメージが根強くなってしまいます。企業担当者であれば、整理しておきたい情報です。

法定雇用率は数年おきに上昇する

法定雇用率は数年おきに上昇します。

現在の法定雇用率は令和3年3月1日以降に改正された数字となっています。ちなみにその前の改正は平成30年となっています。法定雇用率が改正されるまでに3年間の猶予があることがわかります。

ということは、今の時点で法定雇用率をクリアできていれば当面は安心ということですね。

そんなことはありませんよ!法定雇用率がクリアできていても油断は禁物です。

現時点で法定雇用率がクリアできていても油断は禁物である理由は2つあります。

一つは法定雇用率は今後も下がることは無いということ、もう一つはすでに務めている障害者社員が退職する可能性があるからです。

法定雇用率は社会情勢も加味されて数値が決定されます。しかし、新型コロナウイルス禍であっても下がらなかったこと、そもそも社会全体で障害者の社会参加が至上命題とされていることから、今後も下がることは考えにくいでしょう。

また、すでに務めている障害者社員が退職して自社の雇用率が下がるリスクも見逃せません。

企業担当者は自社の数字(障害者雇用率)に目が行きがちですが、人ありきの問題であることを忘れてはいけません。社内や社員の状況が変われば、退職することは当然あり得ます。

「とりあえず雇いさえすればいつまでも務めてくれる」という考えは、障害者雇用担当であれば持ってはいけない考えとさえ言えます。

障害者を雇う前に確認しておきたい事項3選

次に障害者を雇う前に確認しておきたい事項を解説していきます。

障害者雇用のトラブルを未然に解消できるだけでなく、お互いが気持ちよく働くためには必須の事項です。必ずチェックしておきましょう。

①仕事の切り出しができているか

一つ目の障害者を雇う前の確認事項は、仕事の切り出しができるかどうかです。

障害者雇用における仕事は、一般社員と同じものをそのまま任せるタイプと、個別に障害者雇用枠の社員用に仕事を抽出(切り出し)をしたものの2種類に分かれます。

それであれば、今ある仕事をそのまま任せた方が楽そうですね

めちゃくちゃ危険な考えです!障害者雇用が初めてであれば、仕事の切り出しをしておくことを勧めます!

障害者雇用がはじめての会社であれば、現存の仕事をそのまま障害者雇用社員に任せるという発想をしがちです。しかし、安易にそう考えるのは危険です。

というのも、仕事の切り出しをしていない状態で業務をあてがうと、その業務に適応できない場合、障害者社員用に後から仕事を切り出しにくいからです。入社した後にトラブルが起きると、すでに人間関係がこじれていたり、障害者側が仕事への苦手意識を抱え込んでしまっている状態になるがちです。

そのようなケースに発展してから仕事の切り出しをしたところで、フォローできる人員がいなかったり、そもそも時間的に余裕がなく後回しになる…最悪、離職にまで発展してしまうこともありえます。

すでに障害者雇用の経験が豊富でない限りは、まず障害者社員用に仕事の切り出しを行い、慣れてきてから一般社員相当の仕事をあてがう(キャリアアップを行う)方が職場には定着しやすいです。

②配慮できる人的・物的資源は整っているか

次に障害者を雇う前に確認しておきたい事項は障害に配慮できるだけの人的・物的資源は整っているかです。

どんなに優秀であっても、特段の配慮の必要が無ければそもそも障害者雇用を活用する理由がありません。障害者雇用枠で就職を希望する方は、大なり小なり企業側に配慮を求めています。

障害者側がどのような配慮を求めているか具体的に説明することも大事ですが、受け入れる企業側も、事前に障害者を雇い入れる準備を進めておく必要があります。

といってもどんな準備をすればいいかなんてわからないですよ…そもそもどんな人が受けるかもわからないのに…

会社で働けるかを判断するのは企業側なので、すべての障害者に対応しなければならないと思い込みすぎなくて大丈夫ですよ。

ありとあらゆる障害に対応しなければならないわけではありません。ただ、オーソドックスな配慮事項に対応するためにも、最低限の準備は整えておきましょう。

以下が一例です。

  • 心身の体調に不安がある方に向けて時短勤務制度を整える
  • 障害者との個別面談が可能な面談スペースを確保する
  • 入社後に何でも相談しやすくするために、現場にキーパーソン(職場担当者)をもうける
  • 通院時に公休が取れるように仕事量の調整ができるようにしておく

上記の環境整備は最低限整えておくことをオススメします。逆に障害者側がどのようなことを配慮として求めているかは、以下の記事を参考にしてみてください。実際に配慮点としてすり合わせを行った事例を紹介しています。

障害者雇用で合理的配慮を得る方法教えます【知らないと危ないです】

③どういった層をターゲットにするか決めているか

最後の障害者を雇う前に確認しておきたい事項はどういった層を採用ターゲットにするか決めておくことです。

障害者雇用枠ではあれど、社員として迎え入れる以上、戦力として頑張ってもらう必要があります。企業の求めているレベルを事前に現場とすり合わせをしておくことは必要不可欠です。

ましてや、法定雇用率達成のために入社してくれさえすれば良いという考えは言語道断です。仮にその考えを持っていた場合、口に出さなくても社内環境によって考えは見透かされると思っておいた方が良いでしょう。

障害者雇用は社内雰囲気の改善や、指導方法の向上などメリットも多いです。もし、障害者雇用に否定的な印象を持たれている方が現場にいるのであれば、ぜひ以下の記事を見せてあげてほしいです。私の伝えたい障害者雇用のメリットを詰め込んでます。

【企業向け】企業が障害者雇用をするメリット・しないデメリットを紹介【知らなきゃマズイです】

また、障害者とどのように接したら良いか不安な社員に対しては、以下の記事が参考になるかと思います。

障害者雇用の企業担当が知るべき雇用力が身につく4つの鉄則【知識より向き合い方】

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法定雇用達成のキーポイントは実習!

最後に法定雇用率達成のキーポイントを教えます。ズバリ、それは職場実習です!

職場実習は通常一週間程度の期間を取って、実際に障害者に仕事を体験してもらう方法です。選考とは別に行われることがほとんどです。

お互いの相性を見極められるため、入社後のイメージの食い違いを防ぐことができます。また、実習を取り入れていることをアピールするだけで、応募者側が安心感を得やすくなるため、採用効率を上げられるメリットもあります。

とはいえ、実習の段取りやコーディネートがわからない企業の方がほとんどかと思います。

職場実習を取り入れを検討している企業は、地域のハローワークや障害者就業・生活支援センターで雇用相談を受けることをオススメします。

<参考記事>

まとめ

  • 障害者を雇う人数割合は民間企業で2.3%(令和3年時点)であり、数年おきに変動する
  • 障害者を雇い入れる前に仕事の切り出し、社内環境調整、ターゲット層のすり合わせは済ませておく
  • 職場実習を取り入れると採用効率のアップや入社後のミスマッチを防ぐ効果がある

いかがでしたでしょうか?

障害者雇用はハードルが高く感じるかもしれません。確かに、入社後も含めると簡単なことではありません。しかし、やるべきステップを踏んでいけば、安定した雇用を行うことができるのも事実です。

一人で抱え込まずに、社員と連携を取りながら採用活動を進めていってくださいね。

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