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地域活動支援センターとは?就労継続支援との違いを徹底解説【地活からでも就職はできる!】

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就職を目指しているんですが、支援員の方に「まずは地域活動支援センターで体を慣らしていったらどう?」と勧められたんだ。地域活動支援センターってどんなところなの?

地域活動支援センターは、障害者の地域生活を支える日中活動の場です。地活(ちかつ)と略称で呼ばれることが多いですね。

地域活動支援センターは障害者の日中活動支援を行う福祉サービスの一つです。社会的つながりを求めている方から、将来的に就職を目指して体調ケアを兼ねてきている方まで、利用者層は様々です。

今回はそんな地域活動支援センターについてサービス概要はもちろん、就労継続支援サービスとの違いや選び方まで解説していきます。最後までご覧ください。

この記事を見れば知ることができること

  • 地域活動支援センターの概要
  • 地域活動支援センターと就労継続支援サービスの違い
  • 地域活動支援センターの選び方
  • 地域活動支援センターからの就職の可能性

それでは一つずつ見ていきましょう。

地域活動支援センターとは

地域活動支援センターとは、ひとことで言えば、障害者の日中活動の場です。

厚生労働省の地域生活支援事業において運営されている福祉サービスです。具体的には以下のように規定されています。

○ 障害者等を通わせ、創作的活動又は生産活動の機会の提供、社会との交流の促進等の便宜を供与する障害者自立支援法上の施設。(法第5条第21項)
○ 地域の実情に応じ、市町村がその創意工夫により柔軟な運営、事業の実施が可能。

厚生労働省

一つずつ概要を紹介していきます。

地域活動支援センターの種類

地域活動支援センターはⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型の3種類があります。

それぞれ以下のように区分されています。

地域活動支援センターⅠ型専門職員(精神保健福祉士等)を配置し、医療・福祉及び地域の社会基盤との連携強化のための調整、地域住民ボランティア育成、障害に対する理解促進を図るための普及啓発等の事業を実施すること。なお、相談支援事業を併せて実施ないし委託を受けていることを要件とする。
地域活動支援センターⅡ型地域において雇用・就労が困難な在宅障害者に対し、機能訓練、社会適応訓練、入浴等のサービスを実施すること。
地域活動支援センターⅢ型(ア)実施主体から委託を受ける場合には、地域の障害者のための援護対策として地域の障害者団体等が実施する通所による援護事業(以下「小規模作業所」という。)の実績を5年以上有していること。
(イ)自立支援給付に基づく事業所に併設して実施すること。
引用:厚生労働省

え~と、つまりどういう違いがあるの?

パッと言われてもよくわからないですよね笑
Ⅰ型~Ⅲ型の違いは以下のようにざっくり覚えておけばよいです。

<地域活動支援センターの違い>

Ⅰ型→福祉サービスの支援計画を作成する相談支援センターを併設している

Ⅱ型→在宅の方向けの機能訓練も行っている

Ⅲ型→Ⅰ型、Ⅱ型以外の事業所

「通って日中活動をする」というのが主目的であれば、必ずⅠ型やⅡ型である必要はありません。現役の利用者であっても、自分の地活が何型に該当するか答えられない方の方が多いです。

職員配置

地域活動支援センターの職員配置は、2名以上の職員を配置し、うち1名は専任者を置くことが規定されています。

それに加え、Ⅰ型~Ⅲ型の種別ごとに職員の配置基準が定められています。

地域活動支援センターⅠ型基礎的事業による職員の他1名以上を配置し、うち2名以上を常勤とすること
地域活動支援センターⅡ型基礎的事業による職員の他1名以上を配置し、うち1名以上を常勤とすること
地域活動支援センターⅢ型基礎的事業による職員のうち1名以上を常勤とすること
参考:厚生労働省

基礎的事業は、創作活動や生産活動の提供といった地域活動支援センターの基本的サービスを指します。

ご覧の通り、Ⅰ型→Ⅱ型→Ⅲ型の順で、職員数が充実しています。地域活動支援センターⅠ型、Ⅱ型は併設サービスがあるため、それだけ充実した職員数が求められることが背景にあります。

利用者数

地域活動支援センターの利用者数は以下の通りとなっています。

地域活動支援センターⅠ型1日あたりの実利用人員が20名以上であること。
地域活動支援センターⅡ型1日あたりの実利用人員が15名以上であること。
地域活動支援センターⅢ型1日あたりの実利用人員が10名以上であること。
参考:厚生労働省

職員配置同様、Ⅰ型→Ⅱ型→Ⅲ型の順で利用者数は多いですね。どのくらいの人数規模の事業所が良いかの参考にすると良いでしょう。

サービス内容

地域活動支援センターのサービス内容は事業所によって様々です。

  • 手芸品の販売(アクセサリー、工芸品など)
  • 飲食物販売(パン、お菓子など)
  • レクリエーション(季節のイベント、ハイキング、映画鑑賞など)
  • 製作物の作成(カレンダーづくりなど)

生産活動は利益面よりも、社会的なつながりや充実感を得られるかどうかに重きが置かれています。とはいえ、最近では質の高い創作物制作を行う事業所も増えてきています。

「福祉だから質は度外視」というのは昔の時代と言っても良いかもしれませんね。

千葉にある地域活動支援センターゆーあいはパン作りを活動内容としており、食べログでも平均☆3つ以上の評価を受けているようです。

地域活動支援センターであっても、普通の飲食店とそん色ない創作活動を行っている一例と言えます。

参考→はーとやのパン

地域活動支援センターは感覚で選ぼう

地域活動支援センターの種類ややっていることは大体わかったけど、結局どこの事業所を選べばいいんだろ…

悩むところですが、ズバリ、感覚で決めてしまうのが一番だと思います。

どこの地域活動支援センターを利用するかは感覚で選ぶのが一番かと思います。

「支援者なのにそんなこと言っても良いの?」と突っ込まれそうですが、結局のところ、肌感覚に合わなければしょうがありません。

Ⅰ型やⅡ型といった区分に関しては、普段の通所においては、正直あまり関係のないことが多いです。

それよりも、「職員が自分の話を聞いてくれそうか」、「利用者とうまくやっていけそうか?」、「同じような障害の人はいるか」といった人間関係面の方がキーになることが多いです。

地域活動支援センターの利用者層としては、一般就労は(現段階では)難しいという方がほとんどになります。そのため、自分の不得意な部分に対して、フォローをしてくれるか事業所であることが重要です。最終的には、安心して通えるかを感覚的に感じ取れるかどうかが決め手となります。

考えなしに「感覚で決めろ」と言っているわけではありません。

何を目的に通うかを具体的にしつつ、最終的にはその目的に合った事業所を自分の感覚で選んでほしいと思っています。

一人で決めずらい方は、ぜひ周りの家族、主治医、支援者とも相談してみてください。

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地域活動支援センターと就労継続支援との違い

創作活動をしているって意味では地域活動支援センターって就労継続支援A型やB型と変わらないようだけど何が違うの?

良い質問ですね!地域活動支援センターと就労継続支援の大きな違いは工賃(給与)の有無と、通所率です。

地域活動支援センターと就労継続支援サービスは、日々通所して生産活動を行うという意味では一緒です。そのため、言われないと違いがわからないという人は多いです。

以下の表で違いを確認しましょう。

地域活動支援センター 就労継続支援B型 就労継続支援A型
活動の立ち位置生産活動を行いながら、社会的なつながりを得たり、日中活動の場として利用する通所しながら就労継続A型や一般就労を目指す雇用契約を結び、働きながら、一般企業への就労を目指す
収入なしあり(月数万円)あり(最低賃金保証)
通所率無理のない範囲で自由に通所可能週5回通所が多い週5回通所が多い。雇用契約を結ぶ分、就労継続B型よりも出勤率が求められる。

就労継続支援サービスは利用者の出勤状況などが、事業所側の収入にもかかわってきます。そのため、就労継続支援サービスは毎日の通所が前提とされます。

地域活動支援センターはその時の体調に合わせて、週2、3回程度の通所であっても、問題ありません。自分の体調に合わせて通所するかどうかを決められる点はメリットと言えます。

その代わり、地域活動支援センターでは給与に当たる工賃などは支給されないことがほとんどです。あくまで「生産活動」を行う場であり、枠組みとしては就業ではありません。

生活的に少しでも金銭が必要という場合は、就労継続支援サービスの利用を検討しましょう。

就労継続支援サービスをもっと詳しく知りたいという方は、以下の記事を参考にしてみてください。

就労継続支援B型事業所ってどんなサービス?B型にしかない魅力やA型との違いを徹底解説!

就労継続支援A型から一般就労へステップアップ!福祉と一般企業のハイブリッド的存在を徹底解説してみた

地域活動支援センターからでも就職は目指せる

最後に、地域活動支援センターからでも一般就労は目指せるということをメッセージとして書いておきたいと思います。

なぜそのようなことをつけ添えるかと言うと、地域活動支援センターは、消極的選択肢として利用されることが度々あるからです。

「本当は就職したいと思っていたけど、主治医や家族に行くように言われたから仕方なく利用している。」

「毎日言っているけど、お金がもらえるわけでもないし辛い。」

このように感じている人も今まで何人も見てきました。

ネガティブなイメージを抱えている方の多くは、周りの家族や支援者からの勧めで仕方なく利用している方たちです。就職を希望している方にとっては、働くことから遠ざけられたと感じてもおかしくはありません。

こうした方々に伝えたいこととして、就職活動は「どこに通うかではなく、何を獲得できたか」がめちゃくちゃ大事であるということです。

地域活動支援センターは就職へのステップアップとしては遠回りに感じるかもしれません。しかし、理由はどうあれ利用することになったからには、地域活動支援センターで身につけなければいけない課題が必ずあるはずです。

自分が何の目的で利用しているかを明確にして、それを乗り越えていけば、必ず一般就労できる確率を上げることが出来ます。

むしろ何の考えもなく、なんとなく就労移行などに通っている人の方が危ういです。そういったサービスを利用しても満足な結果を得られなかった人は、今まで数多く見てきました。就労系のサービスを利用したから就職が保障されているわけでは決してないんです。

順調に能力を伸ばした後に、あらためて就労移行や就労継続A型を利用しても遅くはありません。どこを利用するかではなく、「今の自分の課題は何か」ということに目線を向けて頑張ってほしいと思います。

まとめ

  • 地域活動支援センターは障害者の社会的なつながりの場として創作・生産活動の提供を行う
  • 地域活動支援センターは工賃こそ出ないものの、就労継続支援サービスよりも通所率は問われない
  • 通所の中で自分の課題をクリアしていけば、地域活動支援センターからでも一般就労はできる

いかがでしたでしょうか?

地域活動支援センターを単なる日中活動の場と捉えるのはもったいないです。サービス内容も幅広く、なにより人と関わり合う機会を得られるため、自分の現状と向き合いながら日々を送ることができます。

自分の認識次第でいくらでも有効活用ができるサービスです。今回の記事を参考に、利用を検討してみてくださいね。

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