働きながら精神保健福祉士の勉強をしています。オススメの勉強方法はありますか?
私も働きながら勉強しました。精神保健福祉士は参考書の独学で十分合格できます!
精神保健福祉士は社会福祉士に比べて社会人受験者が多い試験です。多くの方が働きながら勉強をするため、時間捻出には一苦労ですよね。
可能な限り効率よく実力をつける方法を精神保健福祉士合格者であるエドガワが解説していきます!
この記事を見れば知ることができること
- 精神保健福祉士合格に必要な勉強期間
- 精神保健福祉士に合格できる勉強方法
- 参考書の使い方や期間ごとの勉強方法
それでは一つずつ見ていきましょう。
目次
筆者合格時(2018年)の状況

まずは私が精神保健福祉士に合格した時の状況を書いていきます。
精神保健福祉士は共通科目83点と専門科目80点の合計163点のうち、おおむね60%を合格基準としています。年度ごとの難易度により、得点調整がされます。
私が受けた第20回試験は合格最低点が93点と、ここ10年間では一番合格最低点が高い年でした。私は共通科目61点、専門科目63点の計124点で合格しました。得点率で言えば約75%に換算されます。
合格最低点から30点以上の点差で余裕をもって受かっています。最低70%の得点率を目標としていたので、結果としては満足でした!
当時は仕事から帰って一通りの家事や着替えを終えてから、近くのスタバで23時ごろまで勉強していました。平日の勉強時間は3時間、土日は一日7,8時間程度は勉強していたように記憶しています。
用意周到に半年は勉強期間を確保していましたが、正直後半2か月くらいはやることが無くなっていました。すべての選択肢の正解根拠を説明できるころには、合格はある程度確信できていたような気がします。
精神保健福祉士を取った後の感想は、以下の記事でも取り上げています。ぜひ参考にしてみてください。
→精神保健福祉士は役に立たないと言われる理由、取って良かった理由を紹介【現役PSW解説】
精神保健福祉士に合格するには「参考書学習」「最低3か月の勉強期間」がポイント

合格点に余裕をもって受かるにはどうしたらいいのかな?
ズバリ、3か月間以上の勉強期間を確保して参考書の独学ができれば合格が見えてきます。
精神保健福祉士は合格率は6割程度と高い数値です。運を天に任せずに、正しい勉強方法と勉強期間の確保ができれば、確実に合格することができます。
裏を返せば、それができなければ不合格の憂き目にあう恐れもあるということです。ポイントは「参考書学習」と「最低3か月の勉強期間」です。
ポイント① 参考書学習
精神保健福祉士合格に必要な一つ目のポイントが参考書学習です。
精神保健福祉士は精神保健分野や一般教養分野など、多種多様な単元から構成されるため、映像授業などで全て学習しようと思うと時間がいくらあっても足りません。
とはいえ、精神保健福祉士の試験は法制度や援助方法などの単発の知識を問うものがほとんどです。そのため、一問一答などの参考書を活用した反復学習がとても有効です!
受験勉強で例えると、日本史や世界史などの歴史科目の学習に近いものがあると言えばわかりやすいでしょうか。しかも歴史の流れを意識するような問題は出題されないため、参考書の反復学習がとにかく効果的です。
ポイント② 最低3か月間の勉強期間
2つ目の精神保健福祉士合格に必要なポイントは最低3か月間の勉強期間です。
精神保健福祉士に合格するには、ある程度余裕を持った勉強期間の確保が必要です。
受験勉強と同じで、たとえ短くても勉強をしない日を作らないのがポイントです。通学・通勤時などスキマ時間をうまく活用しましょう。
ちなみに一日の勉強時間は最低3時間、休日は6時間以上を想定して3か月としています。確保できないという方はさらに勉強期間を確保するようにしましょう。
また、ネット上では1か月程度で受かったという声もありますが、さすがに全くのゼロからとなると運や地頭にも左右されます。確実性を重視するためにも、数か月間の勉強期間は確保しておきたいところです。
ちなみに精神保健福祉士の受験難易度は、合格率こそ精神保健福祉士の方が高いものの、社会福祉士と同程度とされています。
社会福祉士との難易度比較は、以下の記事を参考にしてみてください。
→精神保健福祉の難易度を社会福祉士と比較!なめると落ちます!【社会福祉士と同難易度】
最短3か月合格の参考書ルート

それでは実際に3か月で精神保健福祉士合格を見据えた参考書のルートや各期間の勉強方法をお伝えしていきます!
2022年試験を見据えた最新の参考書でルートを組んでいますので、安心して取り組んでください!
1か月目の勉強方法【とにかく過去問演習!】

精神保健福祉士1か月目の勉強はとにかく過去問のやり込みです。ほかの参考書は一切手を付ける必要はないです。一に過去問、二に過去問です。
中央法規の精神保健福祉士国家試験過去問解説集2023を使用しましょう。
①3か年すべて行う
まずは収録されている3か年の問題を時間をはかって実際に解いてみましょう。ここでは正答率を気にする必要は有りません。はじめは出来なくて当然なので、どんどん解いていきましょう。すべての問題を解き終えたら答え合わせをしましょう。
②苦手単元を洗い出す
すべて答え合わせをしたら、各単元ごとの正答率が導き出せると思います。自分がどの苦手単元に苦手意識があるかを数値で可視化しましょう!逆に得点が取れている得意単元は本番でも稼ぎどころになります。
③苦手単元から各設問を復習する
ここまでは勉強というよりも、その前段階の準備に過ぎません!
苦手単元を洗い出したら、得点が取れていない単元から順に解きなおしをしましょう。その時のポイントはズバリ、各選択肢ごとに正解の根拠が言えるまで反復することです。
以下がイメージ図です。
なんで選択肢ごとにやる必要があるの?
正解の部分だけ復習していたのでは、答えを覚えているに過ぎません!
過去問は正解以外の選択肢の復習こそ大事です!!というかそれがすべてといっても過言ではないです!
他の選択肢を正しい語句に言い換えることができれば知識が一つ増えることになります。つまり一つの問題に対して、少なくとも5つの知識を獲得することができます。
選択肢別に復習すれば、正解の選択肢だけ復習する人に比べて、5倍もの学習効率があるということになります。
精神保健福祉士試験は全く同じ問題は出題されないにせよ、違う言い方で同じ語句を聞いてくることがよくあります。そのため、すでに出題された問題であっても、過去問を復習しまくることは本番での点数アップに直結します。
極端な話、簡単な年度であれば過去問のやり込みだけで合格できます。それくらい過去問の復習は超重要です。
過去問の使い方は以下の記事にて、超具体的に紹介しています。タイトルが社会福祉士となっていますが、精神保健福祉士も全く同じ要領で流用できるので、ぜひそちらもご覧ください!
→社会福祉士試験の過去問の使い方を徹底解説!【約9割取れた方法全部さらします】
過去問復習のフローチャート
①苦手な単元から選択肢ごとに復習する
②正解の根拠が言えたらチェックマークを入れていく(即答できるまで何度も繰り返す!)
③すべての選択肢にチェックマークがついたら、2番目に苦手な単元に着手していく
④ ①~③を繰り返す
2か月目の勉強方法【一問一答で知識補強】

1か月間の過去問のやり込みで基礎知識は付き始めていると言っても良いでしょう。2か月目からはたくわえた知識に肉付けをしていくフェーズです。この段階では得点力を上げるために、一問一答を使っていきます。
共通科目の一問一答は中央法規一択です。過去問と同じ出版社であり、参考書間の接続の点でも質が高いです。
専門科目の一問一答は出版数自体が少ないですが、社会福祉士試験対策研究会のものが無難です。例年7月初旬に発売される最新年度のものを購入しましょう。リンクは暫定的に2021年発売のものを貼っています。
①苦手単元から知識を補強する
一問一答では、過去問の時と同様、苦手な単元からやり込んでいきましょう。おそらくほとんどの方にとっては共通科目の方が苦手意識を覚える方は多いと思います。
はじめの2週間で共通科目、後半2週間で専門科目に取り組むことを目標に勉強していきましょう。もちろん、正解の根拠が即答できるまでひたすら取り組みましょう。
やり込みさえすれば、数時間で一周できるようになるまでになります。暗記科目はスポーツと同じでとにかく反復すれば頭にしみついてきます。
この段階まで仕上げれば、難しい年度であっても7割を切ることはほとんど無いと言っても良いでしょう。
②過去問に戻って即答できるか確認する
一問一答が仕上がった段階で過去問に再度戻りましょう。おそらく部分部分でうろ覚えになっていると思いますので、新たな気分で復習できるかと思います。
あらためて取り組んでみて、正解を根拠も含めて言えるかチェックしましょう。正答率が100%になるまで繰り返してください。
3か月目の勉強方法【背景知識を補強して仕上げる】

3か月目は総仕上げとして補助教材も活用しながら勉強に取り組みましょう。
共通科目対策はTACの社会福祉士の教科書、専門科目対策は国試ナビを活用しましょう。
どちらの参考書も単純暗記だけでは対応がしづらい単元をかみ砕いて解説してくれています。横断的に学習ができるため、頭の整理にもってこいです。
社会福祉士の教科書はカラーテキスト且つ頻出レベルを記載してくれているため、講義系参考書では最も質が高いと感じます。
国試ナビは関連用語をリスト、グラフ化している参考書であり、虫食いの知識を横断的に理解させてくれる参考書です。
共通科目に苦手意識があるor特定科目を得意分野にしたい場合は社会福祉士の教科書、専門科目の取りこぼしを抑えたい、着実に得点したい方は国試ナビに取り組みましょう。
おそらくどちらも完璧にしきることは期間的に不可能です。どちらか一方を使うか、どちらも使いたいなら、さらに1か月ほどは勉強期間を増やしましょう。
補助教材は一問一答に取り組む2か月目から使っても構いません。あとは時間のある限り、過去問、一問一答のやり込みをしていけば確実に合格をつかむことができます。
模試問題の復習もオススメです。
補助教材も完ぺきにした方がいいの?
時間があればそれに越したことは有りませんが、そこまで余裕はないと思います。時間のある限り、学習優先順位の高い分野を補強するイメージで取り組みましょう。
精神保健福祉士のNG勉強法

精神保健福祉士試験は適切な勉強法で挑めば、しっかり合格点を取れることがわかったかと思います。そんな精神保健福祉士のNGな勉強法をお伝えしておきます。
テキスト→過去問の順で勉強しないこと!
精神保健福祉士を受ける方は指定のテキストを購入するように、各学校から勧められることが多いと思います。スクーリングの授業を受ける上では必要かもしれませんが、テキストから勉強するのは国家試験対策にははっきり言って不向きです。
というのも、先ほどお伝えした通り、精神保健福祉士は単発的な知識を問う問題が大半です。そのため、インプットよりもアウトプットに時間を割くのがとにかく大事。必ず過去問から着手しましょう。
テキストやワークブックといったインプット用の参考書は、勉強をしている気分にはなるものの、どれだけ得点力が上がっているのかが見えづらいです。特にワークブックは合格者の方でも使用しているので、「使わなければ受からないのでは…」と勘違いされがちですが、無くても十分受かります。
逆にテキストやワークブックをやり込んでから過去問に挑もうと思っているといつまでたっても過去問に着手できません。それどころか過去問に挑むことに恐怖心が生まれかねません。
私自身、ワークブックを使って勉強していましたが、過去問と一問一答をやり込んだ後の余った時間で使ったに過ぎません。無くても本番の得点率はほとんどと言っていいくらい変わらなかったと思います。
とにかくアウトプット命!という気構えで挑みましょう。
授業はオススメしない
精神保健福祉士を受ける方は、通っている学校から試験対策講義などの案内されると思います。はっきり申し上げますが、授業は得点率向上には非効率です。
授業は勉強している気分にはなれますが、受けている間は学力が向上しているわけではありません。その後の復習によって知識が定着することではじめて勉強と言えます。
とはいえ、精神保健福祉法は暗記科目の傾向が強いです。結局のところ、授業を受けている時間があれば、参考書の反復の方が効率的であるのが実情です。
あまり大きな声では言いませんが、実はスクーリングの授業中も参考書広げて内職してました 笑
必ず2024年までに合格しておこう!
精神保健福祉士の受験資格を2023年度(2024年)までに得られる方は必ず年度内での合格を目指しましょう!
というのも、2024年度(2025年)試験より、学習カリキュラムが変更となることが厚生労働省より公表されています。
参考:精神保健福祉士養成課程における教育内容等の見直しについて
カリキュラム変更になるだけなら、あまり影響ないんじゃないの?
いいえ!カリキュラムに沿って、試験内容自体も変更になります。
精神保健福祉士国家試験は、指定カリキュラム(科目)に沿って試験範囲が定められています。今回の改正では、共通科目の科目数が新たに増加・読み替えがされています。
改正の目的として、精神保健福祉士の包括的知識の習得が見直しに背景にあるようです。
とはいえ、7共通科目は負担が大きいのに、さらに学習に要す時間が増える点では、受験者側はたまったものではありません汗
また、科目変更の一番恐ろしい点は、今までの過去問から対策を立てづらくなる点です。どんな問題が出るか予想しづらいため、不安を感じながらの勉強になってしまいます。
こうした国家試験では、改正初年度は受験者の得点率を把握するため、難問奇問は出さない傾向にあります。ただ、改正前に合格できるように勉強しておくに越したことはありません。
「受からなきゃ来年でいいや~」という考えは捨てて、年度内に受かる努力をしておきましょう!
まとめ
- 精神保健福祉士合格には、参考書学習と最低3か月以上の勉強期間確保がポイント
- 過去問→一問一答(必要であれば補助教材)の順でやり込みをすれば合格に近づく
- テキスト→過去問の順で勉強はしない!授業もあまりオススメできない!
いかがでしたでしょうか?
精神保健福祉士は適した勉強方法をこなしていれば、確実に点数が取ることのできる試験です。国家試験だからといって躊躇せずに、ぜひ積極的にチャレンジしていってもらいたいと思います。
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