障害者雇用を知る

発達障害の人が仕事探しをする時のポイントを教えます【診断名より特性理解が大事】

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発達障害当事者なんですが、自分に向いている仕事が知りたいです。

発達障害に向いている仕事は一つの大きなテーマですね!といっても向いている仕事は特性によって大きく異なります。

発達障害に向いている仕事と一口に言っても、コレが向いている!と断言するのは難しいです。というのも発達障害自体がいくつもの障害名に分類され、同じ診断名でも特性の出方が違うためです。

それを踏まえて、特性ごとのオススメの仕事をまとめてみたいと思います。

この記事を見れば知ることができること

  • 発達障害の種別・特性
  • 発達障害の人の向いている職種
  • 障害障害の人が働く上で注意しておきたいポイント

それでは一つずつ見ていきましょう。

発達障害の種類を知ろう

発達障害に向いている仕事を知るためにも、まず発達障害にどのような種類があるのかを知っておきましょう。差提言、自分に当てはまるものだけでもチェックしてみてください。

すぐに向いている仕事は教えてくれないの?

向いている仕事を知るためには自分の障害特性を知らなくてはいけません。障害特性を知るためには障害そのものの正確な知識が必要です。急がば回れですよ♪

広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)

広汎性発達障害は自閉症やアスペルガー症候群といったコミュニケーション上の障害をひとくくりにした言葉です。

知的障害を伴うものからそうでないものまで、すべてスペクトラム(連続体)であるという考えから自閉症スペクトラム障害と呼ばれます。

最近では自閉症スペクトラム障害の方が一般的な呼び方になってきました。なお、知的障害を伴う自閉症の場合は、発達障害ではなく、知的障害で分類されることがほとんどです。

自閉症スペクトラム障害は人の感情の読み取りが苦手なアスペルガー症候群の傾向が強い方もいれば、逆に感情を敏感に読み取りすぎてしまう特性の方もいます。同じ診断名でも真逆の特性が現れるため、発達障害の理解は難しいとされるゆえんになっています。

診断名にとらわれすぎず、どういった面でコミュニケーション面に不自由を感じているかを把握することが大事です。

<自閉症スペクトラム障害の特徴(一例)>

  • 興味関心の幅が限定的
  • 同一の行動を好む
  • 変化に弱い
  • 相手の表情や言葉から感情を読み取ることができない
  • 社会性が極端(積極的すぎる、もしくは受け身すぎる)
  • 視覚・聴覚が過敏

注意欠陥多動性障害(ADHD)

注意欠陥多動性障害(ADHD)はその名の通り、注意が行き届かないことにより、社会的な生きづらさを抱える障害を指します。人から言われても何度もケアレスミスをしてしまったり、言われたことに集中して聞けないといった特性は代表的なものです。

他人からはやる気の問題として叱られがちなため、障害理解がされにくい障害の一つです。ADHDには注意不足が強い注意優勢型タイプ、多動傾向と重複している混合型タイプとで分かれています。

ADHD傾向の方はどちらに当てはまるかを把握しておく必要があります。

<ADHDの特徴(一例)>

  • 考えをうまくまとめられない(ふりかえりができない)
  • たくさんのことを同時にしないと気がすまない
  • 直感的に考えてしまう
  • 疲れを感じにくい
  • 新しいものを求める
  • 家族にも同様の傾向が見られる

自閉症スペクトラム障害同様、特性が真逆に出る場合もあります。詳しくは主治医や信頼できる家族・友人にも聞いてみると良いでしょう。

学習障害(LD)

LDは、知的に障害が無いものの、文字や文章の読み書き、計算などに困難を示す障害です。脳の機能障害が原因とされており、勉強不足などの環境・努力が要因ではありません。

具体的には漢字の部首やアルファベットの区別がつきづらい視空間認知が原因とされています。例えば、「さ」と「ち」、「b」と「d」など、うまく認知ができないために、読解が難しいといった具合です。

計算においては繰り上がりの概念が理解できないといった特性があるため、買い物などに困難を生じます。もちろんすべての特性が当てはまるわけではありません。

<LDの特徴(一例)>

  • 文字の特徴を捉えられない
  • 一文字ずつしか文字を読めない
  • 文法や句読点の使い分けができない
  • 簡単な計算でも暗算ができない
  • 読んだものの意味がわからない
  • 音声などの情報は認識しやすい場合がある

自分の障害特性を知ってから仕事選びをする

ここまで発達障害の概要を紹介していきました。

少しばかり触れましたが、発達障害はとにかく診断名のみならず、特性の出方も様々です。指定医ですらどこまでが障害なのか性格によるものかは判別が難しいほどです。

そのため、診断を受けたら、そこで満足せずに自分なりの特性をまとめましょう。その際は必ず文章化するようにして可視化するようにしましょう。

特性をまとめることによって、はじめて向いている仕事は何かを判別しやすくなります。就活の際は、診断名を伝える→合理的配慮を得るではなく、診断名をまとめる→特性を伝える→合理的配慮の流れが鉄則です。

企業の担当者は仕事のプロであって障害のプロではありません。自分の障害は自分自身が誰よりも詳しくありましょう。

発達障害者が仕事をする上での考え方については、以下の記事も参考にしてみてください。

発達障害で仕事のミスが多い人必見!ミスが起きる原因と対処法を教えます!

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発達障害の人の向いている職種

さて、それでは発達障害の人の向いている職種をまとめてみます。

障害種別ごとにまとめてますが、あくまで便宜上の区別です。特性によっては向き不向きに差異が出ることを知っておきましょう。あくまで”傾向”の話と捉え、最終的にチャレンジするかは周りの人ともよく相談するようにしましょう。

広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)に向いている職種

自閉症スペクトラム障害の人は、コミュニケーション面での配慮が必要となるのが一般的です。臨機応変な対応が難しいため、営業などの高度なコミュニケーション能力を求められる職種は不向きとされています。

その分、決められたルール・マニュアルに沿った仕事や、こだわりを持って追求する仕事には能力を発揮する傾向があります。

<広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)に向いている仕事>

  • デザイナー
  • システムエンジニア
  • 経理
  • CADオペレーター

注意欠陥多動性障害(ADHD)に向いている職種

ADHDは、不注意や衝動性が特性として現れます。そのため、経理などのケアレスミスが許されない数値を伴った仕事は不向きです。

しかし、一つのことにのめり込む、もしくは広範囲に思考を巡らせる特性は、行動力や発想を伴った仕事とマッチングがしやすいです。気になったことに貪欲であるとも言い換えられます。

<注意欠陥多動性障害(ADHD)に向いている仕事>

  • イラストレーター
  • ゲームプランナー
  • 作家
  • 研究者

学習障害(LD)に向いている職種

LDは、識字や計算など不得意な分野がはっきりしています。読み書きが苦手なのに文書校正を含んだ事務をするなど、苦手分野と職域が被る場合は当然ですがミスマッチングと言えます。

裏を返せば、障害特性を配慮可能な職場であれば、様々な環境で適応できる可能性があります。ある種、一番オールラウンドタイプであるとも言えます。

たとえば、PCで読み書きや計算を代替できるようであれば、事務職であっても十分対応は可能です。

<学習障害(LD)に向いている仕事>

  • 読み書きを伴わない視覚的な仕事全般
  • 苦手分野を代替・配慮できる仕事全般

発達障害の人の就業上のポイント

次に、発達障害の人が就業する上でのポイントを整理していきます。先ほどは職種についてまとめましたが、こちらでは、長く働き続ける上でのポイント・注意点を紹介します。

障害者雇用全般の配慮点については、以下の記事も参考にしてみてください。

障害者雇用で合理的配慮を得る方法教えます【知らないと危ないです】

広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)の就業上のポイント

ズバリ、自閉症スペクトラム障害が就業する上でのポイントは、「構造化」です!

構造化は、自閉症スペクトラム当事者に合った作業環境を構築することを指します。構造化には物理的構造化、作業的構造化の二つに分けられます。

物理的構造化は、視覚過敏の人に対してパーテーションを設置するなどのハード面の配慮を指します。たいして、作業的構造化は何をいつどれくらいやるのかを視覚的に示した配慮全般を指します。

視覚刺激を優先した配慮と言えますね。

注意欠陥多動性障害(ADHD)の就業上のポイント

ADHDの就業上のポイントは、「シャットダウン」です。

不注意や多動など、特性の出方によってポイントは異なります。ゼロにはならないにせよ、注意散漫や多動となりうる原因となる要因はシャットダウンすることが働きやすさにつながります。

わかりやすい例で言えば、騒音によって注意力が散漫になる傾向が強い場合は、閑静なオフィスがある職場の方が能力を発揮しやすいでしょう。またケアレスミスが多い場合は、自閉症スペクトラム障害同様に、チェックシートなどの作業的構造化が有効です。

学習障害(LD)の就業上のポイント

LDの就業上のポイントは、「モデリング」です。

LDはどうしても特性上、文字媒体のマニュアルによる理解が不向きな方がいます。そのため、視覚的な見本提示(モデリング)が有効です。

極力、体を使って覚えていく仕事の方が能力は発揮しやすい傾向にあります。

配慮をかなえるには支援機関を活用する

就業上のポイントはわかったけれど、会社の協力も必要な場合はどうしたらいいの?

一人で配慮点をかなえるにも限界があります。そうした場合には支援機関を活用しましょう!

発達障害者が自分に有効な配慮をかなえるには、会社の協力が必要不可欠な場合があります。パーテーション設置などの視覚的構造化は最たる例ですね。

とはいっても、障害者自身が会社にそうした配慮を求めるのも限界があります。そもそも言いづらいという方は多いかと思います。

そうした場合には、障害者の就労支援機関を活用しましょう。

支援機関を活用すれば第三者の目線から配慮点を伝えてくれたり、職場環境整備の提案をしてくれます。就労支援機関の役割や活用については、以下の記事を参考にしてみてください。

障害者就業・生活支援センターとは障害者雇用の何でも屋!働くを楽にするためのサービス内容を総まとめ!

就労移行支援事業所とは何か?必要でないと感じるあなたほど必要なサービスです。

まとめ

  • 発達障害は、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥多動性障害、学習障害に分類できる
  • 診断名ありきではなく、個々人の特性によって向いている職種が異なる
  • 発達障害は、種別ごとに「構造化」、「シャットダウン」、「モデリング」が就業上のポイント

いかがでしたでしょうか?

発達障害は障害理解がされにくいため、どうしても自己理解が必要になります。あせらずに自己理解→職種探しの流れを踏んでいくようにしましょう。

特に「仕事がしたい! 発達障害がある人の就労相談」という書籍は当事者も参考になる内容があります。リンクを貼っておきますので、ぜひチェックしてみてください。

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