発達障害を持っているんですが、仕事でミスが多くて困ってます…もう仕事辞めたいよ…
発達障害当事者で仕事について悩んでいる人はヒジョーーーに多いです。周りに理解されづらいこともあり、孤独感を感じている人も多いです。
発達障害は知的障害や身体障碍と異なり、はた目から見てわかりづらい障害です。ミスが重なっても「性格の問題」と一蹴されることも少なくなく、まだまだ社会的な理解が不十分です。
それもあってか、就業上でストレスを抱えている発達障害者は非常に多いです。今回は発達障害で仕事のミスが多い方向けに、どうしてミスが起きてしまうのか、どのように対処していけばよいかを取り上げていきます。
この記事を見れば知ることができること
- 発達障害者が仕事をする上での心構え
- 発達障害者が仕事でミスを起こしてしまう原因
- 発達障害者が仕事でミスを防ぐための対処法
それでは一つずつ見ていきましょう。
目次
発達障害者が仕事をする上での心構え
発達障害を持っているけれど、ミスをしているのは事実だし自分が悪いんですよね…
そんなことはありませんよ!ミスをしている自分が悪いと決めつける必要は全くありません!
発達障害者の中にはミスをしたことに対し、「自分の存在価値など無いのではないか」と必要以上に思い悩んでしまう方がいます。
しかし、発達障害=悪と捉える必要は全くありません。ミスが立て続くことも、あなただけが悪いわけではありません。
発達障害は脳の機能障害
そもそも発達障害について皆さんはどのように認識しているでしょうか?
発達障害は以下のように規定されています。
発達障害者支援法において、「発達障害」は「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」(発達障害者支援法における定義 第二条より)と定義されています。
国立障害者リハビリテーションセンター
つまり、発達障害はれっきとした脳機能の働きによる障害です。性格ややる気の問題ではありません。生活環境により、物事の考え方に影響を及ぼすことはあれど、特性が消えてなくなるわけではありません。
何を言いたいかというと、発達障害の特性から生じたミスはみなさんの責任ではないということです。
発達障害は他の障害よりも理解が得づらい

とはいえ、発達障害は他の障害に比べて障害のせいなのかどうなのかが判別しづらいです。結果的に自他ともに障害当事者が悪いと決めつけがちです。
たとえば精神障害者がミスを起こした場合、精神疾患が要因として理解を示してくれやすいです。知的や身体障害の場合、障害が視覚的にわかりやすいため、ミスが起きる前に配慮体制を敷いてくれるケースが多いです。
対して、発達障害の場合、病気や視覚的なハンティキャップがあるわけではありません。そのため、ミスをしても「本人の意識の問題」と一蹴されてしまうこともあります。
そもそも本人が発達障害があることを知らないケースも存在します。障害が重い人に比べて、グレーゾーンの方が働きづらさを抱えているケースは珍しくありません。
良くも悪くも表面上で判断されがちということですね。
一歩進んで考える姿勢が大事
発達障害そのものが悪いわけでもない。かといって職場の理解も得られない。こうした現実に半ば自暴自棄になる人もいるかもしれません。
発達障害者が働く上で非常に重要なポイントは、そこで問題を投げ出さず、自分自身について一歩進んで考える姿勢です。
発達障害者はひとくちに言っても、自閉症スペクトラム、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)など、障害種別が多岐にわたります。さらには同じ診断名でも特性が180度違う方もいます。
そのため、発達障害者が仕事でミスを防ぐには、自分の特性をよく知ることが何よりの近道になります。
「どうせ自分が悪いんだ」、「会社が理解をしてくれないのが悪い」といった考えに陥ること自体は悪くありません。ですが、そこで考えがストップしていてもいつまでも問題は解決しません。
必要以上に自分や相手のせいにせず、落ち着いて原因と対処法を考えることが大事です。
発達障害者が仕事をする上での心構え
- 発達障害は脳の機能障害であって意識ややる気が低いわけではない
- 障害が周りに理解されづらい分、自分自身が特性をよく知っておく
- 自分や相手のせいにしすぎず、原因と対処法を地道に考えていくのが大事
発達障害者が仕事でミスを起こす原因
それでは、発達障害の方が仕事でミスを引き起こす要因になっている点を考えていきましょう。
自分の障害特性が理解できていない
第一の発達障害者が仕事でミスを起こす原因は、自分の障害特性が理解できていないことです。
障害特性が理解できていないということは、自分のミスの傾向の把握ができないことにつながります。それでは企業への障害理解もおぼつきません。ミスの対処方法も「気をつける」、「できるように頑張る」といった根性論に寄りがちになります。
先ほどお伝えした通り、発達障害は脳の機能障害です。根性論では根本的なミスの改善にはつながりません。
結果的にミスが放置状態になってしまい、ストレスの積み重ねから、メンタルに不調をきたすリスクも高まります。
職場に理解者がいない

次に発達障害者が仕事でミスを起こす原因は、職場に理解者がいないことです。
これは障害をクローズにして就職した場合によくみられるケースです。障害のあるなしを問わずに、ミスの原因と対処法を考えてくれる職場ならそれに越したことはありません。
しかし、たいていの職場では仕事でミスをしたら、自分で対処法を考える必要があります。障害の特性からくるミスであっても同様です。
障害者雇用でもない限り、自身の障害のことはそうそう周りと話す機会をもつことはできません。結果的に職場に理解者がいないため、(特性からくる)ミスの相談をできないまま日々を過ごすことになります。
仕事の環境やレベルがあっていない
3つ目に発達障害者が仕事でミスを起こす原因は、仕事の環境やレベルがあっていないことです。
障害者職業総合センターが取ったアンケートでも、発達障害者の離職理由の上位に「業務遂行上の課題あり」が挙げられています。
健常者であっても環境やレベルがあっていなければミスはでるものですが、発達障害者の場合はそれが顕著に出ます。
以下に起こりがちなミスマッチングの例を取り上げました。
- PCが得意なので事務職を選んだが、想像以上に社員間のコミュニケーションが必要だった。加えてマニュアル化できる仕事が少ないので、いつまでたっても仕事が上達しない。(自閉症スペクトラム)
- 朝の時間管理が苦手なのでフレックスタイム制が導入されている企業を選んだ。ところがフレックスタイムは正社員しか導入されていないために、遅刻が多くなってしまった。(ADHD)
- 身体で覚えるタイプなのに、「メモを取れ」と頻繁に言われる。読み書きが苦手なので、かえって非効率だしストレスがたまる。(学習障害)
このように、特性上できようがない点をミスや修正すべき点として伝えられた場合、障害当事者にはどうしようもありません。発達障害は仕事ができないわけではなく、向き不向きが極端に出やすい傾向にあります。
こうした環境やレベルがマッチングしていない職場に就職すると、努力だけでは埋められず、ミスが立て続けに出てしまい早期離職になる可能性が高まります。
発達障害者が仕事でミスを少なくする方法
それでは次に発達障害者が仕事でミスを少なくするにはどうしたらよいのでしょうか?
障害特性(ミスの傾向)と配慮事項を整理する
1つ目の発達障害者が仕事でミスを少なくする方法は自分の障害特性と配慮事項を整理することです。障害特性を理解すれば、ミスの対策や、(障害者雇用の場合)企業に配慮点を具体的に伝えられるメリットがあります。
発達障害は同じ診断名でも特性の現れ方が十人十色です。たとえば広汎性発達障害と診断を受けていても、聴覚過敏が特性として強い方もいれば、コミュニケーション取り方のみに難しさを抱えている方もいます。
そのため、診断名で一括りにせずに、さらに深く自分自身を理解することが重要です。具体的には以下の3つの工程を通して、まとめてみましょう。
STEP① ミスしていることを列挙する
特性を理解するには、まず自分ができていないことを列挙してみましょう。以下のように箇条書きなどでまとめてみるのが良いでしょう。

エピソード形式で具体的な描写がされているとイメージがしやすいです。
STEP② どうしたらミスが防げていたかを考えてみる
次にどのように対処していればミスが防げていたかを書いてみましょう。

ひとつずつのミスに対して、どのような対処があればミスを防げていたかを書いていきます。基本的には自分で対応できることを中心に書いていきます。
自分では対応できないミス内容は、企業側にどのような配慮をしてもらえればミスを防げるかを書いていきます。配慮点を書く時のポイントは現実的にできるかどうかはひとまず置いておくことです。
はじめから「どうせできないだろうなぁ…」とタカをくくってしまうと手詰まりになってしまいます。まずは配慮点として書き出してみることが大事です。
STEP③ 自分で頑張ることと配慮点を分ける
最後に整理していった対応方法を自分で頑張ることと配慮点に振り分けていきましょう。
自分で頑張ること | 企業に配慮してもらうこと | |
電話口の相手の名前を間違える | 電話応対は社内のみにしてもらう | |
上司の説明が早くて聞き取れない | 内容の復唱をする | |
上司の定める仕事期限が抽象的 (なるべく早くなど) | いつまでに仕上げればいいか確認する |
自分で頑張ることについては、具体的な目標としてすぐに行動に移してみましょう。企業に配慮してもらうことについては、上司と掛け合って対応してもらえるか相談してみることを勧めます。
そもそも上司と相談しづらかったり、配慮が突っぱねられたらどうすればいいの?
障害をクローズにして働いている方は障害者雇用の活用を検討してみてください。すでに障害者雇用で働いている方は、支援機関の活用を勧めます。
配慮点を考えるのが難しいという方は以下の記事も参考にしてみてください。
→障害者雇用で合理的配慮を得る方法教えます【知らないと危ないです】
支援機関・医療機関を利用する
2つ目の発達障害者が仕事でミスを少なくする方法は、就労支援機関・医療機関を活用することです。
それぞれのメリットは以下の通りです。
<就労支援機関のメリット>
- 職場訪問を通して、ミスが起こりうる特性や配慮点を第三者目線で企業に伝えてくれる
- 見学や実習の機会をもうけ、自分の能力を発揮しやすい職場を探すサポートをしてくれる
<医療機関のメリット>
- 服薬やカウンセリングを通して、仕事に必要な体調・メンタルケアを行える
- ミスの発生原因を医療的な見地からアドバイスをしてもらえる
もちろん利用は任意ですが、第三者の目線が入ることで、よりミスへの対処方法を検討しやすくなります。就労支援機関は以下の記事も参考にしてみてください。
→障害者就業・生活支援センターとは障害者雇用の何でも屋!働くを楽にするためのサービス内容を総まとめ!
障害者雇用枠を活用する
最後に発達障害者が仕事でミスを少なくする方法は、障害者雇用枠での就労を活用することです。
障害をクローズにして就職するのがダメというわけではありません。むしろクローズで働けるのではあれば、給与などの条件面からそれに越したことはないと思います。
とはいえ、職場で配慮を求められない場合、神経をすり減らしてしまうと言った場合は別です。最悪の場合、精神障害を併発してしまい、結果的により多くの配慮を必要としてしまうリスクもあります。
障害者雇用の場合は、支援機関の活用や職場実習を通して、マッチングできる職場を見つけやすくなります。何より障害があることを前提とした雇用枠のため、理解も得やすいです。
悩ましいところですが、どこまで自分の力だけで頑張れるかは線引きしておいた方が良いでしょう。
とはいっても、障害者雇用だと給与が安そうで心配だよ…
そんな方にはセミオープン就労も検討してみてください。
もし障害者雇用には興味があるけれど、給与がネックという方は多いです。そんな方はセミオープン就労を検討してみてください。セミオープン就労とは一般枠で選考を受け、面接の場で障害をオープンにする選考手段です。
うまくいけば、条件は一般枠と同様のままで配慮を受けることも可能です。詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
→障害者雇用の裏技「セミオープン就労」について迫る【障害を開示しつつ高条件求人にチャレンジ可能】
まとめ
- 発達障害は脳の機能障害のため、障害特性から起こるミスは障害者本人のせいではない
- 障害特性が理解できていない、社内理解が不十分などの要因がミスを引き起こす
- 障害者雇用で支援機関・医療機関を活用していくことでミスを未然に防ぎやすくなる
いかがでしたでしょうか?
発達障害者は何より特性の理解に気をつける必要があります。自己理解を深めることでミスを起こす確率を減らすことができます。その点をないがしろにしてしまうと、障害者雇用であっても早期離職になるリスクがあります。
ぜひ今回の記事を参考に、悔いのない就業生活を送ってくださいね。
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