障害者雇用求人をハローワークで探そうと思うんだけど、ぶっちゃけどうなの?
ハローワークってあまり良い求人がないイメージなんだけど…
障害者雇用で求人を探すなら、ハローワークへの登録は絶対にしておいた方が良いです!
結果的にハローワーク経由で内定が決まらなくてもメリット満載ですよ!
目次
ハローワークは障害者雇用で仕事探しをするときの王道
障害者雇用で求人探しをする時には、ハローワークに必ず登録しておきましょう。
その理由はずばり以下の4つです。
・チーム支援が受けられる
・精神・発達障害者はトータルサポーターによる支援を受けられる
・退職後の失業保険申請の窓口となる
・雇用保険から手当をもらいながら職業訓練が受けられる
一つずつ解説していきます。
「チーム支援」による密な支援が受けられる
ハローワークに登録すると、必要に応じて「チーム支援」を受けることができます。
チーム支援は以下の通りに規定されています。
就職を希望する障害者に対して、ハローワークを中心に、福祉施設などの職員やその他の就労支援者がチームを結成して、就職活動から職場定着までを支援するというものです。
ハローワークの専門援助部門が担当し、就職支援コーディネーターを配置して関係機関と調整を行います。また、連携する福祉施設とは、地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センター、就労移行支援事業所、職業能力開発校、特別支援学校などになります。
また、その他の就労支援者として、ジョブコーチ、相談支援事業所、福祉事務所、発達障害者支援センター、難病相談・支援センターで構成されています。
こうした関係団体が連携しながら、障害内容や希望に沿いながら就労支援計画を作成します。その後は、計画に沿いながらチーム構成員が連携し、障害者の就労支援・生活支援を実施。就職後も職場定着や職業生活の安定のために様々なフォローアップを図ります。
このように複数の専門家による手厚い支援が受けられるのが「チーム支援」の大きな特徴です。
WebSANA
要は、地域の関係機関と協力しながら、相談者にマッチングした職場探しや定着支援を実施していくサービスとなります。
ハローワークと連携して支援に当たる代表的な機関として障害者就業・生活支援センターが挙げられます。障害者就業・生活支援センターについては以下の記事にて紹介しておりますので、ご参照ください。
参考:障害者就業・生活支援センターとは障害者雇用の何でも屋!働くを楽にするためのサービス内容を総まとめ!
「働きたいけれど、どう進めていったら良いかわからない」という方にとっては、ハローワークのチーム支援を活用していけば、就職した後のミスマッチングを防ぎやすいでしょう。
精神・発達障害者は担当のトータルサポーターがついて相談に乗ってくれる
次に紹介するハローワーク登録のメリットは、精神・発達障害者雇用トータルサポーターによる相談を受けられることです。
000648708参考:ハローワーク宇都宮
精神・発達障害者雇用トータルサポーターは、精神保健福祉士などの専門職が主体となり、精神障害者、発達障害者に対して、きめ細やかなカウンセリングを行います。
専門的支援を要する精神・発達障害の求職者が増加していたことを背景に、障害特性に応じた就職支援や職場定着支援を行うことを目的に新設された制度です。
精神・発達障害者への支援経験を有する方に支援を受けられる点がメリットとして挙げられます。また、基本的に担当制となっているため、相談するたびに一から経緯を話す必要が無い点も良いですね。配置人数はハローワークによって異なるので、詳しくは最寄りの事業所にご確認ください。
実際にトータルサポーターの支援実例を紹介しますので参考にしてみてください。
・企業に応募前に配慮事項を伝達してくれる
・本来、面接選考からスタートする企業に対して、企業見学や実習が可能かを問い合わせしてくれる
・必要に応じた面接同行
・ハローワーク単独で支援が難しい課題を抱えている方に対して関係機関を紹介・コーディネート
退職後の失業保険手続きのためにハローワーク登録が必要
次に紹介するハローワーク登録のメリットは、失業保険の存在です。
退職したことがある方はご存じかと思いますが、失業保険の申請はハローワークの窓口を通して行います。退職した後のことを想定するのは消極的かもしれませんが、失業保険申請時にはどのみちハローワークへの登録が必要不可欠になります。もし余裕があれば、登録しておいても損はないでしょう。
※ 失業保険を受けるには、雇用保険の加入が必須条件となります
職業訓練を受けることができる
最後に紹介するハローワーク登録のメリットは、就職前・離職後に職業訓練(ハロートレーニング)を受けられることです。
<ハロートレーニングの特徴>
・無料で職業訓練が受けられる
・介護、事務、IT、製造など幅広い分野の職業訓練内容がある
・受講期間中は職業訓練受講給付金が月額10万円入るほか、雇用保険から基本手当、受講手当、通所手当が支給
・最短2か月~最長2年の受講期間
訓練期間中は雇用保険が適用となるため、スキルを伸ばしながらじっくり就職活動を進めたい人にとっては、うってつけのサービスと言えるでしょう。
ハローワークの利用方法
それでは次に、ハローワークの利用方法を紹介していきます。
ハローワークは主に対面サービスとインターネットサービスの2種類に区分されます。
対面サービス
対面サービスは、ハローワークを訪れてサービスを受ける一番オーソドックスな形式です。
はじめてハローワークを訪れる場合は、総合窓口で求職申込手続きを行う必要があります。手続き終了後、ハローワーク受付票が発行されるので、2回目以降は受付票を窓口に提出してから相談となります。
障害をクローズ(伏せて)で就職活動をしたい場合は、一般の求人検索機で気になった求人を検索し、窓口にて紹介状を発行してもらいます。障害者雇用求人を探したい場合は、必ず専門援助部門という専門窓口で求人検索や各種相談にのってもらってください。
紹介状の発効後は、順次企業から選考の案内が来ますので、案内に沿って書類選考や面接選考に臨むことになります。
インターネットサービス
インターネットサービスは、ハローワークの求人検索を自宅から行えるサービスです。
メリットとしては、ハローワークに登録をしていなくても求人が見られる点です!
ただし、見られる求人情報に限りがあるため、可能であればハローワークへの登録をオススメします。
今はハローワークへの登録申請もオンラインでできるようになりましたが、仮登録までしかできないため、もし興味のある求人が見つかった場合は、窓口で正式登録を済ませましょう。
私個人の見解では、極力ハローワーク所内にある求人検索機で求人探しをすることをオススメします。というのも、求人検索機に比べて、インターネットサービスは求人数が少ないこと、最新の求人情報がすぐに反映されないことがあるようです。実際にハローワークの職員から聞いた情報なので、信憑性は高いと思われます。
ハローワークが一番障害者雇用求人を取り扱っている事実とそのワケ
私がハローワークへの登録をオススメする最後の理由は、「制度上、障害者雇用求人が集まりやすくなっているから」です。
グラフを見ていただくと、ハローワークを通して就職を果たした方は年々右肩上がりであることが分かると思います。
では、なぜ障害者雇用求人が集まるのか?
それは、企業がハローワークを通して募集をかけると、企業側にメリットのある制度を複数利用できるからです。代表的な制度として、トライアル雇用制度と特定求職者雇用開発助成金(特開金)の存在が挙げられます。
<トライアル雇用制度>
トライアル雇用制度とは、原則3か月間という期間をもうけて、障害者を試し(トライアル)に雇用をする制度。障害者側、企業側双方が適性を判断したうえで、本採用に至る。
<企業側のメリット>
・仮に3か月の間に本採用に至らなかった場合であっても、企業側の解雇実績にはあたらないので、採用のハードルが下がる。
・トライアル雇用制度を利用することで国から助成金が得られる。結果的に採用コストを抑えられる。
<特定求職者雇用開発助成金>
高齢者や障害者などをハローワークを通して雇用した場合に、企業へ助成金が支給される制度。
<企業側のメリット>
障害者1人につき、最小30万円から最大240万円までの額が支給され、採用コストの軽減ができる。
※ 支給額は障害種別、就業予定時間、企業規模によって異なる
いずれの制度もハローワークを通してでしか申請ができないため、制度の仕組み上、障害者雇用求人がハローワークに集中するという構造になっています。
2021年の段階では、障害者雇用求人を取り扱う民間サービスも充実してきています。ハイクラスな企業求人を取り扱っており、ハローワークとの差別化はできていると思います。ただ、なかなか条件に合った求人が見つからないということも考えられるため、求人状況のリサーチも兼ねて、ハローワークに登録しておくだけでもメリットはあるかと思います。
まとめ
・ハローワークに登録すると、トータルサポーター制度などハローワーク独自のサービスが受けられる
・ハローワークの利用方法には対面サービスとインターネットサービスの2種類がある
・企業が利用できる助成金制度などはハローワーク経由でないと利用できないため、障害者雇用求人が集まりやすい
いかがでしたでしょうか?耳にしたことが無かったサービスもあったのではないでしょうか。もちろん、ハローワークを使わずに就職活動を進めるのも一つの選択肢です。ただ、利用上のデメリットが無いため、選択肢を増やす意味でも登録だけでもしておいても良いかもしれません。
最後に障害者雇用で就職活動を進める際にオススメの書籍を紹介します。障害者雇用の就職準備から応募書類・面接対策まで網羅しているので、「就活の予習だけでもしておきたい」「とりあえず一人で就活を進めてみたい」という方は手に取ってみてくださいね。
コメント