障害者雇用を知る

障害者雇用で面接に落ちる理由を徹底解剖!失敗例から学ぶ面接攻略法!

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このあいだ企業面接に落ちちゃったよ…障害者雇用枠だから受かりやすいと思ったのに…

障害者雇用でも面接がうまくいかなければ落ちることはありますよ。むしろ面接こそが重要です。

障害者雇用で入社したい場合、面接選考は超重要です!なぜ落ちるのかを知っておくことで、受かる理由を上げることができます。失敗例から学び、就職活動を実りあるものにしていきましょう。

この記事は以下の人におすすめ

  • 障害者雇用で面接を受けてもなかなか通らない方
  • なぜ面接に落ちてしまうのか原因が知りたい方
  • 面接選考を通過するコツを知りたい方

今回の記事を見れば、それらの疑問を解決できます。

この記事を見れば知ることができること

  • 障害者雇用の面接で企業側は何を重視しているか
  • 面接で落ちてしまう理由セミオープン就労のメリット・デメリット
  • 面接選考を通過する確率を上げる方法

それでは実際に見ていきましょう。

障害者雇用の面接では何を重視しているのか?

障害者雇用の面接で落ちる理由を分析するためには、企業が何を重視しているかを知ることが重要です。以下の画像は人材大手企業パーソルの特例子会社が面接時に重視している点をあらわしたものです。

職業準備性(はたらく準備ができているか)、パーソナリティ、業務適正が評価指標となっています。

職業準備性はさらに、以下の4点に分けられています。

<面接で重視される4つのポイント>

  • 障害への自己理解
  • 社会性(報連相・意見を聞き入れられるか)
  • 心身の安定(生活リズム・服薬管理など)
  • 就業意欲

私個人としては、この職業準備性に採用されるかどうかのすべてが詰まっていると考えています。

なんで?パーソナリティや業務適正は大事じゃないの?

もちろん大事ですよ。ただ、この4つの職業準備性に人柄や業務の適正判断も含まれていると考えます。

自分と異なる意見を聞き入れることができていれば、そもそも人柄が良いと判断されやすいです。また、障害理解ができていて且つ報連相、意欲があれば、よほどの専門職でなければ業務に対しての伸びが期待できます。

仕事に向いているかや人柄ははかるのが難しいです。極端な話、その仕事に対してのプロであっても、やらせてみなければ判断がつきません。そのため、できるかどうかは置いといて「伸びるかどうか」を判断するために、4つの職業準備性(自己理解、社会性、心身の安定、意欲)を満たしているかを確認してきます。

利き方はいろいろあれど、結局のところ、4つの観点のいずれかを聞いているに過ぎません。

つまり、面接に落ちるということは4つの要素がいずれかが欠けていると判断されたからと言い換えることが出来ます。

経歴がスペック不足だからなのかと思っていたよ…

もちろん経歴も無関係では無いですよ。経歴が少ない=社会性や就業意欲などをはかる上での判断材料が少なかったということで落ちることはあります。あなた自身のレベルや価値が低いということではありません。

面接で落ちる理由は何か?

それでは、実際に落ちる理由を見ていきましょう。先ほど、面接に落ちるのは4つの職業準備性(自己理解、社会性、心身の安定、意欲)のいずれかが欠けているからと説明しましたね。

これだけだとイメージがつきずらいと思うので、具体的にはどのような理由で落ちてしまうかを説明していきます。

支援の仕事をしていると企業側から実際に落選理由を聞くことがあります。実際に落ちた時の理由を企業側の視点で紹介していきます。

落ちる理由① 障害に対してどう配慮してよいかイメージがつかなかったから

一つ目の落ちる理由が障害に対してどう配慮して良いかわからないからというものです。

よく聞かれる理由の一つですね。4つの職業準備性のうち、自己理解の項目に当たります。

応募者側は障害に対しての配慮点を面接時に伝えます。しかし、配慮事項が相手に対してのイメージがつきづらい伝え方になっている場合があります。たとえば以下が一例です。

前職では指示があいまいな人が多く、人間関係でつまづいてしまったので、なるべくわかりやすく指導してもらえるとありがたいです。

ずばり言いますが、これでは配慮点になっているようでなっていません。

なんで!?めちゃくちゃわかりやすいし、当たり前のことを言っているじゃん!?配慮のハードルも低そうだし!

どんな指示があいまいって感じるんですが?あなたにとってのわかりやすいってなに?
当たり前の表現ってかえってイメージがつきづらいんです。

「指示があいまい」というのは自分自身が経験したからこそイメージがつく表現です。また、「わかりやすく指導」というのは、人によって解釈が分かれる表現となります。

「わかりやすく」などの表現は便利すぎるフレーズである一方、どのようにも捉えられるため、混乱をまねきやすいです。そもそも自分がわかりにくい指導をしているって自覚が無い人ってめちゃくちゃいますからね。

なので、抽象的な表現で配慮事項を伝えて入社した場合、入社後にミスマッチングになる可能性は高いです。

ではどうすればいいか?

ずばり、初見の人が見てもイメージしやすく、具体的な言葉で置き換えることです。先ほどの例を書き換えてみます。

前職では、「うまくやっておいて」、「頑張って仕上げておいて」など、抽象的な指示が多く、うまく仕事ができませんでした。結果的に、叱責が重なり、ストレスから退職することになりました。入社の際には、「〇月〇日までに●●まで仕上げておいて」など、数字や名詞で具体的にしていただけるとありがたいです。

具体的なエピソードを交える、数字や名詞などを用いて配慮点を伝えると相手にイメージしてもらいやすいです。

参考にしてみてください。

落ちる理由② 入社しても不満が出て辞めてしまいそうだから

次のよくある落ちる理由が、入社しても、すぐ不満が出て辞めてしまいそうだからというものです。面接の場で前職の不満点をそのまま伝えた場合に起きがちな落ちるパターンです。

どの方も前に入っていた会社というのは、人間関係トラブル、給与条件など後ろ向きな理由で辞めている方の方が多いです。しかし、面接の場では前職のことを悪く言うべきではないという暗黙のルールがあります。

それは、すぐ辞めがちな印象を会社に与えてしまうからです。

障害者雇用の場合、その印象を与えることは落選に直結します。企業側は障害者雇用率の存在があるため、一度雇った障害者は辞めてほしくないという想いがあります。対外的な印象も悪いため、健常者の雇用以上に、障害者の退職には敏感な場合が多いです。

なお、前職で不満を面接の場で出すということは、報連相や意見への受け入れ姿勢が取れないのではないかという印象を相手に与えてしまいます。つまり、4つの職業準備性のうち、社会性の評価に関わるということですね。

前職での不満点は以下のようにリフレーミング(言い換え)をして、積極的な転職理由に変えましょう。

  • いつまでも正社員になれない、給与が上がらないなどの条件面の不満

⇒将来的に自立を目指したい、キャリアアップをして仕事にやりがいを感じたい

  • 嫌な上司や同僚との人間関係トラブルの不満

⇒実際に働くことで自分なりのコミュニケーションの取り方が学べた。

(トラブルを踏まえた配慮点も併せて伝えられると◎)

前職のむしゃくしゃが晴れないうちに面接を受けることはNGです!不満が口から出やすくなりますし、考えが主観的になりがちになります。

落ちる理由③ 体調不良で仕事についていけなそうだから

次のよくある落ちる理由は、体調不良で仕事についていけなそうというものです。体調不良が理由で退職してから間が経っていない場合にありがちな落ちる理由ですね。4つの職業準備性のうち、心身の安定に当てはまります。

でも体調不良だからってあんまりブランク空くのは不利になるんじゃ…

体調不良を回復するためにどんなことをしていたかが説明できれば問題ないですよ♪

障害者雇用の場合は、実はブランクはそこまでシビアに考えすぎる必要はないです。失業期間中にデイケアや就労移行に通いながら、体調の回復に努めていれば、単なるブランクとは思われません。

むしろ焦って選考に臨む方がリスキーです。

高齢・障害・求職者雇用支援機構の「障害のある求職者の実態調査中間報告」をJSHがまとめた表です。障害者の退職理由の多くに、病気が1位に連ねています。突発的な体調不良の方で辞める人もいますが、まだ体調が回復しきっていないにも限らず、入社して辞めてしまう方も後を絶たないのが現実としてあります。

障害者雇用に慣れている企業ほど、こうした事情に精通しているので、前職が体調不良である場合にはシビアにみられることは把握しておきましょう。

体調不良でも言い方次第では深刻に思われないんじゃないの?

たしかに症状を軽く伝えてそのまま入社される方も見てきました…が、あまりおすすめはできません。

症状は経歴のように可視化できるものではありません。伝え方次第では、なんとでも言うことができます。言い方は悪いですが、面接の場ではごまかしてやりきることもできるでしょう。

しかし、本来仕事ができる体調まで戻っていない状態で働いた人は、当然すぐに体調不良になってしまう可能性は高いです。私自身、焦って就職したばかりに退職を繰り返す人を数多く見てきました。一度立ち止まることを勧めたことは数知れずですが、最後は障害者本人の意思にゆだねていました。

今回の記事を見ている方は焦らずに就職活動に臨んでほしいと思います。障害者雇用の掟は「急がば回れ」です。面接に受かることはスタートにすぎません。働き続けることが何より重要です。

落ちる理由④ その職種で頑張れるかがどうかがつかめなかったから

最後に紹介する落ちる理由は、その職種で頑張り続けられるのかがいまいちつかめなかったからというものです。志望理由に無理がある、該当職種への経験が足りないといったことが背景としてあります。4つの職業準備性のうち、就業意欲に当てはまります。

なんだ結局職歴が大事なんじゃん。

大事は大事ですが、即戦力として必要だからという意味合いではないことが多いです。

障害者雇用の場合で志望理由や職歴が求められるのは、その仕事を継続できるかという「持続性」が求められるからです。大事なことなので何度も言いますが、企業側は障害者に辞めてもらいたくない気持ちが健常者以上に強いです。

そのため、取り繕ったような志望理由や、該当職種に挑戦するにしてはちぐはぐな経歴である場合、モチベーションを保ってもらえるかに懸念されてしまいます。

つまり、障害者本人のポテンシャルを否定されているわけではありません。もし未経験職種に挑むという場合には、未経験可能な企業をピックアップしたり、該当職種に対しての職業訓練を積んでからチャレンジする選択肢を検討しましょう。

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支援機関を活用して面接に落ちる可能性を減らそう

ここまで、面接に落ちる理由やそれぞれの対処方法を紹介してきました。しかし、実際の選考では落ちた場合、落ちた理由を教えてくれることはまずありません。振り返りをしようにもしようがない…と悩まれる方は多いかと思います。そんな方はぜひ支援機関を活用してみることをおすすめします。

支援機関といっても数多くありますが、なかでも就労移行支援事業所は障害者雇用の面接対策にはおすすめです。

<就労移行支援事業所がおすすめな理由>

  • 面接練習を行ってもらえるので第三者視点からアドバイスをもらえる
  • 最大2年間の通所期間があるため、長期的な課題が分かった場合も課題の改善に努められる
  • 見学や実習の場を用意してもらえるので、経験や実績の積み上げができる
  • 中長期間、通所し続けられたという実績が企業側に好意的に取ってもらえることが多い

面接で落ちる理由はその場で瞬間的に直せるものばかりではありません。伝え方などのテクニック的なものであればともかく、体調不良などの場合、一定期間安定して過ごせているかどうかの実績が求められます。

就労移行の場合、第三者からアドバイスをもらいながら中長期的に目標に取り組めます。とにかく就職に急いでいるということでなければ利用の検討をおすすめします。

就労移行支援事業所については、以下の記事を参考にしてみてください。

就労移行支援事業所とは何か?必要でないと感じるあなたほど必要なサービスです。

【2021年版】本当におすすめの就労移行支援事業所3選【現役支援員が解説】

まとめ

  • 障害者雇用の面接では4つの職業準備性(自己理解、社会性、心身の安定、意欲)が重視される
  • 面接で落ちる人は職業準備性のうち、どの部分に課題があるかを整理し、対処法をまとめておく
  • 一人でうまくいかない人は就労移行支援事業所などの支援機関を活用する

いかがでしたでしょうか?

障害者雇用の面接は一般枠の面接とは一部異なる基準で判断される部分があります。可視化しづらい分、ややこしさがあると思います。今回の記事を参考に、どこが自分の弱点かを整理していくことから順々にはじめてみましょう。

それでは次回の記事でお会いしましょう。

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コメント

  1. 山田雄太郎 より:

    採用する理由が、法律で一定の障害者を雇用しなけばいけないから。
    やめてほしくない理由が、法律で一定の障害者を雇用しなければいけないから。
    つまり、仕方なく雇うけど、本音では手間のかかる障害者は来てほしくないのでしょう。
    私は、上記の面接に落ちる理由に留意して受けましたが、「ストレスコントロールに心配がある」という理由で不採用でした。
    ストレスコントロールに心配がない人間って、精神障害者じゃないと思いますよ。
    遠回しに信用できないからうちに来るなと言われた感じで、それなら直接言われた方がマシでした。

    私の自治体の就労支援施設では、施設スタッフの方が履歴書を添削し、点呼の時間に「こんな書き方をすると採用されません」とわざわざ衆目に晒していました。
    負担をかけることが施設の目標ならば、私の居ていい場所ではないんだろうと感じます。
    スタッフが障害のことを知らないのか、ただなぶっているだけなのか信じられなくなりました。

    体面上はっきりと言えないだけで、心の中で障害者はこの世に不要だと思っている人が多いのならば、早く安楽死を合法化してほしいものですね。邪魔だと思われたまま生き続けるのも辛いもんです。耐えるのもまた辛いもんです。

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