休職中でリワークを利用していると思っているんだけど、近場でリワークプログラムがある医療機関が無いんです…どうしたらいいのかな…
もしかかりつけの医療機関にリワークが無ければ、障害者職業センターのリワークプログラムがおすすめ!無料で利用することができますよ!
休職中の方が職場復帰をする時に欠かせないのがリワークプログラム。実は地域の障害者職業センターでもリワークプログラムを実施しているのは知っていましたか?
今回は障害者職業センターのリワークプログラムについて特集します。医療機関のリワークプログラムとどのように違うのかも含めて紹介していきます!
この記事は以下の人におすすめ
- リワークプログラムとはどんなサービスかを知りたい方
- 障害者職業センターのリワークの特徴を知りたい方
- リワークプログラムを活用するメリットを知りたい方
今回の記事を見れば、それらの疑問を解決できます。
この記事を見れば知ることができること
- 障害者職業センターのリワークの特徴
- 障害者職業センターと他の機関のリワークの違い
- 障害者職業センターのリワークを活用するメリット
それでは実際に見ていきましょう。
目次
リワークとは
そもそもリワークとはどんなサービスなのでしょうか?日本うつ病リワーク協会によると、以下のように規定されています。
リワークとは、return to workの略語です。気分障害などの精神疾患を原因として休職している労働者に対し、職場復帰に向けたリハビリテーション(リワーク)を実施する機関で行われているプログラムです。復職支援プログラムや職場復帰支援プログラムともいいます。
日本うつ病リワーク協会
平たく言えば、復職に必要なスキル獲得を目的とした通所型のサービスということです♪
復職に必要なスキルをひとくくりにまとめた言葉として「復職準備性」という用語があります。
復職準備性は個々人によって違います。たとえば、病状悪化による休職であれば病気の理解や生活リズムの確立が必要です。人間関係でつまずいたのであれば、対人関係の築き方を考えていく必要があります。こうした復職後を見据えた復職準備性を獲得していくことがリワークの大きな目的になります。
休職に至った要因をしっかり分析することが大事ということだね!
その通り!原因を踏まえて最終的なゴール(復職)までの道筋をどのようにデザインしていくかがとっても大事なんです。考えなしに受けるだけでは効果半減ということですね。
障害者職業センターのリワークの特徴
それでは障害者職業センターのリワークの特徴について見ていきましょう!
ちなみに、障害者職業センターでは職業準備支援という通所プログラムも用意されています。職業準備支援は就職活動者向けのプログラムで、リワークとは関係が無いのでごちゃまぜにならないように注意です。
職業準備支援については、以下の記事をどうぞ。
→【実体験】障害者職業センターの職業準備支援を解説 支援者目線で感じたメリット・デメリット
利用対象者
うつ病等で会社を休職されている方(入院中の方は除く)、企業担当者の方を対象としています。
費用
無料(交通費・昼食費は除く)
利用期間・利用までの流れ
職業センターのリワークプログラムの流れとしては、説明会参加→関係者面談→体験参加→計画立案→プログラム受講→復職およびフォローアップとなります。利用に際しては、障害者本人、企業、主治医の合意が必要です。
利用期間としては、リワーク参加までに2か月程度、リワークプログラムの期間が2~3か月程度と見ておきましょう。令和3年4月時点では新型コロナウイルスの影響により、説明会の定員が制限されている可能性があります。利用を検討中の方は最寄りの障害者職業センターにて確認しておきましょう!
支援プログラム
支援プログラムに関しては、障害者を対象としたもの、企業に対して行われるものとで区分されます。
障害者支援
障害者職業センターのリワークプログラムはおおまかに講座、作業課題に分類されます。
- 講座
ストレス対処やコミュニケーション講座などのセルフケアや対人関係に関するプログラム。
- 作業課題
支援ツール「MWS(幕張ワークサンプル)」を用いて作業を行う。4,5人ほどのチームを構成し、集団で課題を行うといったプログラムもある。
作業課題におけるプログラムでは、以下のような内容に取り組みます。

企業支援
企業への支援としては、以下の内容を実施しています。
障害者職業カウンセラーが企業担当者と復職後を見据えた各種相談を行います。職務内容調整はもちろん、家族・主治医との連携まで、多種多様な相談支援を行っている点が特徴です。
医療機関・企業内リワークプログラムとの違い
職業センターのリワークの特徴は分かったけれど、病院とかがやっているリワークとどう違うの?
たしかに気になるところですね!リワークは医療機関、障碍者職業センター、企業内の3つに実施主体がわかれており、それぞれ内容が異なっているんです。
医療機関や民間企業で行われるリワークは主に障害者自身に対する支援が中心です。対して、障害者職業センターが行うリワークは企業担当者への支援も行う点が特徴です。
また、医療機関のリワークはあくまで治療プログラムの一環で行われるため、自己負担が生じます。一方、障害者職業センターのリワークは実施主体が国のため、利用者にかかる費用はありません!
その分、医療機関のリワークは厳密に利用期限が定められていません。休職期間内であれば1年以上利用される人もいます。
障害者職業センター | 医療機関 | 企業内(外部委託含む) | |
支援対象 | 障害者・家族・企業担当者 | 主に障害者本人 | 主に障害者本人 |
費用 | 無料 | 自己負担あり | 企業により異なる (企業負担である場合が多い) |
期間 | おおむね3か月 | 医療機関により異なる (おおむね3~7か月) | 企業により異なる |
障害者職業センターのリワークを使うメリット

それでは、今までの内容を踏まえて、障害者職業センターのリワークプログラムのメリットをまとめてみましょう!
費用がかからない
障害者職業センターのリワークはなんといっても費用が掛からない点がメリットです。
今僕が受診しているK生病院にもリワークがあるらしいが、障害者職業センターのリワークの方が無料でさらに質が高いようだ。それは両方利用してたという人の話を聞く限り間違いないようだ。あくまでも福井県の話。
— ぱわ太【人生を楽しむ河童】 (@pwta) July 2, 2018
費用面に着目して職業センターのリワークを選ばれる方もいるようです。
注意点としては、障害者職業センターは東京都など一部を除き、各都道府県に1か所しか設置されていません。そのため、お住まいの地域によっては交通費が多くかかってしまう可能性がありますので、立地も考慮の上で利用を検討しましょう!
企業側の支援も行ってもらえる
次に障害者職業センターのリワークプログラムを使うメリットは企業支援もしてもらえる点です。
企業支援の部分に関しては自分にはあんまりメリットなくないですか?
甘い!企業担当者への助言をしてもらえるということは、復職後の受け入れがスムーズに進むということです!
いくら障害者自身が復職準備性を獲得できたとしても、復職は企業の受け入れ態勢が整っていなければスムーズに進みません。
障害者職業センターのリワークプログラムは企業への助言も支援内容に含まれています。専門の職業カウンセラーが復職に当たっての企業側の懸念事項を事前にヒアリングするため、復職前に課題改善に着手することができます。
そのため、障害者本人はリワークプログラムに専念しやすくなるという効果があります。ただ、医療機関のリワークプログラムであっても、中には企業に介入してくれますし、医療専門職がプログラムに関わる強みもあります。どの機関であっても一長一短があるということですね。
ゴールを明確にして取り組める
最後の障害者職業センターのリワークを活用するメリットは、期限が決まっているのでゴールを意識して取り組める点です。
期限が決まっていると聞くと、一見デメリットにも聞こえるんだけど…
ゆっくりと復職を考えたい人にとっては不向きかもしれませんね。ただ、ゴールを見据えて早期に復職したいという方にはメリットがありますよ♪
障害者職業センターのリワークプログラムは3か月という限られた期間の中で、復職を行うための支援プランを明確に定めていきます。また、企業にも積極的に介入を行うため、いたずらに時期ばかり過ぎてしまうということが起こりにくい利点があります。
そのため、ゴールを見据えてリワークに取り組みたいという方にはおすすめです。また、障害者職業センターはジョブコーチの派遣元でもあるため、復職後の定着支援体制も整っている点も特徴です。復職後も長く働き続けていきたいという方は利用を検討してみてください。
ジョブコーチについては、以下の記事を参考にしてみてください。
→ジョブコーチとは何かをわかりやすく解説!【職場定着のレスキュー隊的存在】
まとめ
- リワークの実施主体は障害者職業センター以外に医療機関、民間企業などがある
- 障害者職業センターのリワークは無料・企業支援あり・おおむね3か月という特徴がある
- ゴールを明確にして早期復職を目指したいという方には特におすすめ
いかがでしたでしょうか?
復職を見据えて動き出したいという方は、ぜひリワークプログラムを選択肢の一つに取り入れてみてくださいね。イメージだけで決めつけず、職業センターも含め様々なリワーク機関に見学に行かれることをおすすめします。
後悔のない休職期間になるよう、今回の記事を参考にしていただけたら嬉しいです。それではまた!
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