障害者雇用を知る

障害者雇用は社内ニート化しやすい!←企業の準備不足と勘違いが原因です

スポンサーリンク

障害者雇用で働いた友達がロクに仕事を振られていないって言ってたよ。そんなことってあるの?

残念ですが、そういった社内ニート化してしまう人は実在します。企業側が障害者に対する認識を取り違えている場合が多いですね。

障害者雇用で検索すると、「社内ニート」「暇すぎる」といったワードが関連検索で引っかかることがあります。

実際にロクに仕事を振ってもらえない方は実在しています。なぜこうした事態が起きてしまうのか、起きてしまったらどう対応したらいいのかについて紹介していきます。

この記事は以下の人におすすめ

  • 障害者雇用で社内ニート化してしまって困っている方
  • 社内ニートになるような職場を避けたいと考えている方
  • なぜ障害者雇用で社内ニートが生まれるのかを知りたい方

今回の記事を見れば、それらの疑問を解決できます。

この記事を見れば知ることができること

  • 障害者雇用で社内ニートが生まれてしまう原因
  • 社内ニートになる確率を減らす方法
  • もし社内ニートになってしまった場合の対処法

それでは実際に見ていきましょう。

障害者雇用で社内ニートになってしまう実例

実際に障害者雇用で社内ニートになる人ってどんな状況になっちゃうの?

前職で私がかかわった障害者社員の方を例に説明したいと思います。

前職で働いていた企業では、主に営業事務として勤務していました。私の対面のデスクにはパニック障害の女性が在籍していました。

正直に言えば、お世辞にも仕事ができるタイプではありませんでした。私とは課が違っていたので業務上のかかわりは少なかったのですが、見ている限り特筆すべきスキルは無かったですし、コミュニケーションもうまくとれていないように見えました。

問題なのは、その障害者社員への会社側の対応です。ミスがあるたびに、その方から該当する仕事を省くようになっていきました。取り上げることを配慮と捉えていたのかもしれませんが、当然その方はやれることが少なくなっていきました。

最終的には、特段やる必要があるのかどうかわからないファイルのチェックをしていました。同じ課の社員からも口には出さないものの、足手まといのような見られ方をしていました。居所の悪さからか体調は悪化していき、最終的にはちょうど入社から一年経過して時点で退職をされました。

私も精神的に疲弊していた時期ということもあり、フォローしてあげられなかったのが申し訳なく感じています。

今は支援者という立場で仕事をしていますが、実は社内ニート化してしまう方を目にする機会は少ないです。理由は簡単。社内ニートと化している障害者を雇用している企業は、状態を是正しようという意識が低いです。

当然、そうした企業から支援機関に相談が入ること自体がほぼ無いため、接する機会も少なくなります。

とはいうものの、SNSを徘徊していると社内ニート状態になっている人は少なくないと感じます。

一例ですが、他にもわんさか出てきました。

なぜこうした現象が起きてしまうのかを支援機関目線で見ていきたいと思います。

障害者雇用で社内ニートが生み出される原因

なぜ障害者雇用で社内ニートが生まれるのか?

それはずばり、企業の勘違いと準備不足に原因があります。

現場と採用担当の連携が取れていない

まず社内ニート化する要因として考えられるのが、現場社員と採用担当の連携がうまくいっていないことです。社内ニートとまでいかなくても、社内の人間関係がうまくいっていない原因としてもあてはまることが多いです。

規模が大きい会社の場合、採用担当社員と現場で管轄する社員が別々の場合があります。採用担当の伝達が不十分の場合、現場社員は「障害者社員を押し付けられた」という認識を持ってしまうリスクがあります。

障害者に否定的な印象を持っていなかったとしても、どう対応すべきかの共有が不十分だと、コミュニケーションに支障が生じます。結果として障害者の孤立化→社内ニートにつながるというわけです。

「面接の時はよかったのに、入ったら配慮が受けられなかった。」という感想を、こうした企業で働く方からは良く見聞きします。

業務の切り出しができていない

次に社内ニート化する要因としては、業務の切り出しができていないことが考えられます。

とりあえずやってもらいたい仕事を求人票に並べて、良さそうな人材を採用するという「当てずっぽう選考」になっているケースです。

もちろん仕事である以上、給与に見合うだけの基礎スペックを求められてしかるべきだと思います。しかし、障害者雇用の場合は能力が高くても、それぞれの障害特性に合わせて仕事を切り出し・アレンジしていくことが求められます。

「障害者が会社に合わせる」という意識が根っこにあると、障害者にとってハードルの高い業務や環境が積み重なり、社内ニートが生み出される要因になります。

障害者=無理をさせてはいけないと勘違いしている

次に社内ニートが生み出される要因は、障害者=無理はさせてはいけない存在と会社が捉えていることです。優しさが裏目に出てしまったケースですね。

実はこのケースもクセものでして、ある意味では一番社内ニートを生み出しやすい要因になりえます。

なんで?無理させてはいけないって聞くと優しい人が多そうに聞こえるけど…

無理させないという意識は、時に成長の機会を奪うこともあるんです。

無理をさせないこと自体は悪いことではありません。体調優先での仕事が一番ですから。

しかし、無理をさせないことと負荷をかけさせないことは違います。障害者がチャレンジできるレベルにあるのかどうかを双方で検証していくことが大事ですし、その際に負荷はつきものです。

無理をさせない意識が強すぎると企業側の主観で仕事を取り除くリスクを高めてしまいます。当然、社内ニートと化す確率も上がります。

たいてい良かれと思っての気遣いである分、やっかいだったりします。

障害者を雇用率を満たすための存在と考えている

一番残念な要因として、企業が障害者を雇用率達成のための存在として考えているケースです。

障害者雇用率は令和3年4月時点で2.3%となっており、今後も民間企業は障害者雇用への注力が求められます。特に規模の大きい企業にとっては、雇用率を達成するだけでも労力を要します。

企業側にも負担があることはよくわかります…が、本来は障害者を企業の戦力として雇用していくことを促進するための制度です。数字ばかりに目が行ってしまい、本質を見失う企業担当者もいることは事実です。

こうした企業の場合、業務の切り出しや連携不足など、先ほど述べた要因がすべて兼ね揃えてしまっている場合があります。社内ニートどころか早期離職に陥るリスクもありえます。

どうやってそんな企業かどうか見極めればいいの?

配慮事項の申し出に対して、(叶うかどうかは置いといて)聞き入れてくれるかどうかを基準にしましょう。

もし雇用率だけの存在と思っていれば、合理的配慮の申し出に対してアクションは起こさないでしょう。気になる方は配慮事項の申し出に対して、どのように聞き入れてくれるか、実際に行動に移してもらえるかをチェックすることをすすめます。

スポンサーリンク

社内ニートにならないための対処法

それでは次に、社内ニートにならないための対処法を紹介していきます!

見学・実習をさせてもらう

社内ニートにならないために、選考段階で社内を見学・実習させてもらうことをおすすめします。事務系企業だと個人情報保護の観点からということもあり、実習はできないという場合が多いです。

その場合であっても極力見学はさせてもらうことをおすすめします。見学の時は以下の点を参考に見てみましょう。

  • 課内の人数(多すぎないか、もしくは少なすぎないか)
  • 電話のかかり具合(多さ、受話器の数)
  • 社員同士の会話の表情(笑顔があるか)
  • 高圧的なトーンで話す社員はいないか

自分がコミュニケーション取りやすい環境にあるかを中心に確認していくことが大事です。コミュニケーションを取りやすければ業務上の要望を伝えやすくなり、社内ニートになるリスクを減らすことができます。

障害者雇用社員がいるかどうかを確認する

障害者雇用社員が複数名いる企業を選ぶことで社内ニートのリスクを減らせます。

障害者雇用社員が働いているということは、少なくとも雇用ノウハウがあることにつながります。もちろん、それぞれの障害者社員がどこの部署に配属されているかにより異なりますが、会社全体でも障害者を受け入れることに抵抗が少ないことが多いです。

さらに言えば、長年在籍している障害者社員がいる企業であればおすすめです。その社員からアドバイスを受けられる機会があれば、職場に定着するために必要な考え方や働きかたを学ぶことができます。

ピアサポートの機能が働くことで生産性が向上し、障害者・企業双方にとってWIN-WINの効果をもたらしやすいです。

配慮事項をどの程度受け入れてくれるかを確認する

選考段階で配慮事項を受け入れてくれるかを確認しておくことは社内ニート防止化の上で重要です。

配慮事項が叶うということは業務のパフォーマンスを発揮する上で重要なポイントです。業務で成果を上げれば次の仕事にもチャレンジしやすくなり、社内ニートにはなりにくいです。

障害者雇用の面接だったら配慮事項って聞かれるんじゃないの?

もちろん、先方から聞いてくることがほとんどです。ポイントとしては、できることとできないことを濁さず話してくれるかどうかです。

こちらが申し出た配慮点に対して、できるできないを返答せずに聞き入れてしまう企業には注意してください。聞き入れる=配慮できることを確約しているというわけではありません。

言った言わないにならないように、きちんとその場でどのような根拠の元で配慮の可否を返答してくれる会社を選ぶようにしましょう。

仮に配慮できないと言われたとしても、なんとなく言葉を濁す会社よりは、比べようのないほど誠意があります。配慮が叶わない会社だったら行かなければ良いだけですしね。

合理的配慮を得る方法は以下の記事を参考にしてみてください!

障害者雇用で合理的配慮を得る方法教えます【知らないと危ないです】

社内ニートになってしまった場合の対処法

もしすでに社内ニート状態になっちゃってる場合はどうしたらいいのさ?

すでに社内ニートになってしまった場合でも、対処の方法はたくさんありますよ!その会社で働き続けたいか転職を希望するかで対応は分かれますね。

ひとつずつ見ていきましょう!

割り切って働く

今のままの待遇で満足していれば、割り切ってそのまま働き続けるのも一つの手段です。これを対処法と言っていいのかは疑問ですが笑

全員が全員、会社でキャリアアップを目指したいという方ばかりではありません。障害者本人と企業が今の働きかたに満足していれば、外野がとやかく言うことではないと思います。

今のまま継続していた方が楽という場合はそのまま働き続けるのは立派な選択肢だと思います。

ただし、周りの目が気にならないという方に限られます。何より、スキルが積みあがらないので、会社が何かしらの事由で倒産となった場合、つぶしがききにくいというデメリットがあります。こうしたデメリットは把握しておきましょう。

支援機関を利用する

もし社内ニートの状況を脱して、今の会社で働き続けたいという方はぜひ支援機関を活用してみましょう。

支援機関は第三者の立場から企業に介入し、業務の切り出し提案や配慮事項の伝達を行ってくれます。本来、障害者雇用促進法では、就労上の支障を改善することが義務付けられています。法的なお膳立てもあるので、社内ニートになるまで状況が悪化していれば、かえって職場には介入しやすい場合もあります。

まずは支援機関にて登録面談後に、職場へ介入していく流れが一般的です。すでに就業中ということであれば地域の障害者就業・生活支援センターにご相談してみることをおすすめします。以下の記事をぜひ参考にしてみてください。

障害者就業・生活支援センターとは障害者雇用の何でも屋!働くを楽にするためのサービス内容を総まとめ!

就活を並行して進める

すでに会社に見切りをつけているということであれば、働きながら転職活動に踏み切るのも選択肢です。社内ニート状態であることを逆手に取れれば有休を活用して就活することも可能です。

最近は民間の障害者転職サイトも充実してきているので、使わない手はないでしょう。

また、ハローワークでは精神・発達障害者に対して専門カウンセラーがつくトータルサポーター制度を実施しています。相談しながら就活を進めたい方は利用してみましょう。

ハローワーク求人を利用しない場合でも第三者のアドバイスが受けられるのでおすすめです!ハローワークについては、以下の記事を参考にしてみてください。

【2021年版】障害者雇用求人を探すならハローワークへ必ず登録しよう!誰も言わないメリット教えます

副業やスキルアップの時間に割く

すぐの転職をしたいわけではない。かといって、このまま働き続けることに不安があるという方は、副業やスキルアップの期間として有効活用することをおすすめします。

社内ニート状態であれば、定時で帰れると思います。あまった時間で資格取得などに時間を割いても良いでしょう。

また、在宅でもできる副業に時間を費やしてみるのもおすすめです。特別スキルが無いという方は、Webライターが個人的におすすめ!

Webライターは記事の作成を通して、リサーチ力や要約力、文章力などを身につけることができます。ヘタな資格を取得するよりもよっぽど実務に役に立ちますし、転職活動時においてもアピールできます。なによりお金もゲットできるため、メリットはめちゃくちゃ多いです。

クラウドソーシングサイトを利用すれば、未経験者でも応募できる案件が見つかるので、ぜひ見てみてください。

まとめ

  • 障害者雇用の社内ニートは企業側の勘違いや準備不足などから生まれる
  • 見学・実習、障害者雇用社員の在籍、配慮点の申し出の確認を通して社内ニート化を防ぐ
  • 社内ニートになった場合、仕事を続けたいか転職したいかで対応方法が異なる

いかがでしたでしょうか?

障害者雇用であっても社内ニートになる可能性をはらんでいることがわかったかと思います。とはいえ、そういった企業の方が少ないので、過度に不安を抱える必要はありません。今回の記事はリスクヘッジの手段として有効活用してみてくださいね。

スポンサーリンク

検索

人気の記事

コメントを残す

*