障害者雇用を知る

発達障害者の仕事が続かない理由を徹底解剖!【それって本当に会社が原因?】

スポンサーリンク

発達障害を持っていて仕事の離転職を繰り返している友人がいるんだ。なんで仕事が続かないんだろう…

発達障害を持っていて仕事の離転職を繰り返している人は多いです。特に自己分析ができていない人は同じような理由で転職し続けていますね。

発達障害を持っている方のなかには、障害者雇用であるにもかかわらず仕事を続かないという人がいます。たまたま働いた会社がブラックだったという人もいます。

しかし、転職回数が5回、6回と多い場合は一概に会社だけが原因とは言い切れません。仕事が続かない理由はズバリ、自己分析不足からきていることがほとんどです。

今回の記事では発達障害者の仕事が続かない理由や対処方法を解説していきます!

この記事を見れば知ることができること

  • 発達障害者の仕事が続かない理由
  • 発達障害者が仕事を退職する前にチェックしておきたいこと
  • 発達障害者が仕事を退職後に活用できる手段や資源

それでは一つずつ見ていきましょう。

発達障害者の仕事が続かない理由

さっそく、発達障害者の仕事が続かない理由を見ていきましょう。実際に私が支援で携わった方の生の声を踏まえて紹介していきます!

原因不明

まず発達障害者の仕事が続かない理由を聞いた際によく挙げられるのが原因不明というものです。

いやいきなり原因不明って理由になってないじゃん!?汗

仕事が続かない理由をわかっていない人が一番多いんですよ。以下のグラフを見てください。

上の図は障害者職業総合センターの統計をMEDIA TRIZEがグラフ化したものです。

見てわかる通り、「不明」が最多を占めています。単に嫌な思い出として残っているから答えたくないという人もいるかもしれませんが、理由が思い当たらないという人も相当数いることが予想されます。

裏付けには乏しいかもしれませんが、私が発達障害者の就労相談に乗っている中でも、自分自身で理由を明確に答えられない(思いつかない)という人は数多くいました。

理由が思いつかないうちに転職をする→何らかの障害特性からのトラブルにより離職→また理由が思い当たらない内に転職→以下エンドレス…

このように数か月おきに離転職を繰り返した末に、困り果てて相談に来られる方は少なくありません。

原因不明と言いましたが、つまりは就職前の分析が不十分であることにより、同じ要因で離職を繰り返していると捉えることもできます。

とはいっても、一人で完結して分析しきれるのであれば発達障害で苦労はしていないと思います。医療機関・家族など、周りの協力体制が不可欠になります。原因不明により仕事を続けられなくても障害者だけの責任ではありません。

人間関係

次に発達障害者の仕事が続かない理由は人間関係です。

発達障害者は障害特性上、人間関係の良好なコミュニケーションを築くことを苦手としている人が多いです。もしくは良好にコミュニケーションできていても、それを維持することに多大な負担が生じている人もいます。

こうした障害者は以下のような理由で退職をしていることがあります。

人間関係が理由で離職した発達障害者の声

  • 高圧的な口調の上司がいて精神的にストレスになった
  • ネチネチとミスを攻め立ててくる人がいて嫌気がさした
  • 他部署との板挟みにあって仕事が回らなくなった

いずれも働いている本人からすれば、ストレスがたまって仕事に行きたくない気持ちになりますよね…

しかし、人間関係の離職は、自分の障害特性を知る良いきっかけにもなりうるのです。

たとえば、「ネチネチとミスを攻め立ててくる」といった理由に関しては、なぜ相手がネチネチと言ってくるかをさらに分析することで、人間関係トラブルを防ぐヒントが得られます。

人間関係のエピソードを深堀りしていくことによって、今後の仕事選びのヒントを得ることにつながります。より自分らしく働ける職場選びの材料を得られたと前向きに捉えていきましょう。

負担を感じた理由の深堀りは精神衛生上良くない場合もあるので、主治医ともよくご相談ください。

<人間関係の離職を防ぐには>

人間関係で負担を感じたエピソードを深堀りして、配慮点や会社選びの参考にする

業務内容

次に発達障害者の仕事が続かない理由は業務内容です。

業務内容が理由で離職した発達障害者の声

  • 仕事の締め切りを明確に指示されず臨機応変な対応を求められた
  • 過度な残業で体を壊しそうになった
  • 単純作業ばかりでキャリアアップできそうにないと思ったから

業務内容と言っても業種により内容は様々であることは言うに及ばずです。

ただ、実際に発達障害当事者から聞くとある程度の業務内容負担の傾向があることがわかります。一番オーソドックスなパターンはマルチタスクが苦手なのに求められてミスマッチングを起こしたというものです。

ほかにも、まじめに取り組みすぎる特性が災いし、企業から過度の業務量を振られてしまうといったケースもありました。

また、見逃せない点としては、業務内容が単調で給与や正社員へのキャリアアップが図れないからといったものもありました。

障害者雇用の場合の発達障害者の平均月収は12.7万円と言われています。週30時間以上の平均月収は16.4万円にまで上がりますが、健常者と比べて低月収とされています。

参考:【必見】障害者雇用の給料実態を調査!健常者との差は○万円!収入差の理由や年収アップの方法を紹介

こうした業務上のミスマッチングを防ぐには、ぜひ転職エージェントを活用しましょう。

転職エージェントを通すことで、事前に企業の社風や内情、求める人物像を探ることができるため、就業後のイメージをつかみやすくなります。可能であれば見学が可能かを掛け合ってみるのも良いでしょう。

また、障害者の雇用経験が豊富な企業への就職も良いでしょう。雇用経験が豊富な企業は障害者のキャリアパスにも力を入れている場合があるので、長く働き続ける上でもメリットが大きいです。

以下の記事でオススメ企業を紹介していますので参考にしてみてください。

【2021年版】障害者雇用でおすすめな企業5選【本当のホワイト企業はここだ!支援員目線で解説】

<業務内容の離職を防ぐには>

転職エージェントを活用して企業分析を行ったり、障害者の雇用経験が豊富な企業への就職を検討する

発達障害者が仕事を退職前にチェックしておきたいこと

それでは、発達障害者が仕事を辞めたいという場合に確認しておきたいことをまとめてみます。

社内の休職制度を活用する

まず退職前にチェックしておきたいのは休職制度です。

企業によって休職が認められる期間が異なりますが、休職期間をつくることができれば、その間にゆっくりと今後を考える時間をもうけることができます。

先ほど、発達障害者の就職には自己分析やストレス要因の深堀りが重要と述べましたが、毎日仕事をしている状態では冷静に考える余裕がないケースが想定されます。

休職中であれば退職するかどうかも含めて、第三者と話し合う時間的余裕が生まれます。休職中は傷病手当金も出るため、次の就職先が決まっているのでなければ、活用することをオススメします。

ただ、休職する場合は主治医の診断書が必要となります。事前に主治医と現在の状況を話し合っておくようにしましょう。

障害特性を整理する

次に退職前にチェックしておきたいのは、自身の障害特性の整理です。

障害特性を整理する理由はもちろん、今の仕事を続けるにせよ辞めるにせよ、仕事を長く続けていくための配慮点を見つけるためです。

障害特性の整理を退職前にしておくのは金銭的余裕があるからです。もし、退職してしまうと失業保険をもらいながらであっても、手元に入るお金が大きく減ってしまいます。

金銭的余裕がなくなると人は決断を急いでしまい、十分な準備ができていない状態で転職に踏み切りがちになります。結果的に、次の職場でのミスマッチングを引き起こしやすくなってしまいます。

こうした事態に直面しないためにも、休職制度などを活用しながら障害特性の整理はしておくようにしましょう。

配慮点のまとめ方は以下の記事で詳しく取り上げています。

障害者雇用で合理的配慮を得る方法教えます【知らないと危ないです】

リワーク支援を検討する

もし今の仕事の継続をしていきたいとお考えの方はリワーク支援を活用することをオススメします。

リワーク支援は地域の障害者職業センターで実施している職場復帰プログラムを指します。休職中の方が利用できる制度です。

職場復帰に向けたプログラム利用だけでなく、職業カウンセラーが職場に介入し、職場環境の整備を企業担当者と共に行ってくれます。

障害者一人では言いづらい配慮点も、第三者を通して伝えることができる点は大きなメリットです。

リワーク支援については、以下の記事を参考にしてみてください。

障害者職業センターのリワークプログラムの特徴を解説!無料・職場支援・短期集中支援の3大メリット!

スポンサーリンク

発達障害者が仕事を退職後に考えておきたいこと

次に発達障害者が仕事を退職後に考えておきたいことを紹介します。

専門医と体調について相談する

まず退職後に行っておきたいことは、専門医との体調の相談です。

発達障害者の中には、過度に頑張りすぎたために、二次障害としてうつ病などを発症する人も珍しくありません。退職をしたことに対して専門家からフィードバックをもらう意味でも、専門医との相談は欠かせません。

支援機関を活用する

次に、退職後に行っておきたいことは支援機関の活用です。

支援機関の活用は何も障害者雇用で働く人だけに当てはまるわけではありません。例えば、地域の障害者就業・生活支援センターは手帳の有り無しなどを問わずに、障害者の就労相談に乗ってもらえる専門機関です。

数多くの障害者を支援した経験のある支援員から意見をもらうことはメリットこそあれど、デメリットはほとんどないと言っても良いでしょう。また、相談にかかる費用も無料です。

他にもハローワークでは精神・発達障害者雇用トータルサポーターという専門支援員が配置されています。こちらでも就労に関しての相談を、実際の求人と照らし合わせながら受けることができます。

また、ビジネスマナーを学びなおしたいという方は就労移行支援事業所などの訓練型の福祉サービスを利用するのも一つの手段です。

自分に合った支援センターを利用して悔いのない転職活動を送ってください。もちろん、方針や配慮点、仕事探しまで自信をもってできるのであれば、一人で就活するのも選択肢です。

<参考記事>

障害者就業・生活支援センターとは障害者雇用の何でも屋!働くを楽にするためのサービス内容を総まとめ!

【2021年版】障害者雇用求人を探すならハローワークへ必ず登録しよう!誰も言わないメリット教えます

就労移行支援事業所とは何か?必要でないと感じるあなたほど必要なサービスです。

まとめ

  • 発達障害者が仕事を続けられない理由は、原因不明、人間関係、業務内容に区分できる
  • 退職前には休職制度の活用、障害特性の整理、リワーク支援の導入を検討する
  • 退職後は専門医からの意見をもらいつつ、支援機関の活用を検討する

いかがでしたでしょうか?

発達障害者が仕事を長く続けるには、負担の要因を第三者の力も借りながら深掘りすることが何より重要です。一人で頑張りすぎずに、周りの人への協力をぜひ仰いでみてくださいね。

スポンサーリンク

検索

人気の記事

コメント

  1. Johnnynip より:

    What nice phrase

コメントを残す

*